うなるバルコニー音を再現!大成建設が風騒音シミュレーターを開発
2017年1月25日

管理人のイエイリです。

一般的に風速は地上高が高いほど速いので、超高層マンションなどでは風速20m/sを超えることもあります。

こんな強い風が、バルコニーの手すりやルーバーなどの外装材に吹き付けると、「ブォーン」「ビーン」といった共鳴音や風切り音が発生し、夜も眠れないといった想定外の問題が発生することもあります。

そこで大成建設は業界初の「風騒音シミュレーター」を開発し、同社技術センターで本格運用を開始しました。

実験室にバルコニーなどの実物大外装材を設置し、これに様々な風向や風速の風を吹き付け、風騒音を発生させるものです。

本格運用が始まった「風騒音シミュレーター」の音響風洞実験室(以下の写真、資料:大成建設)

本格運用が始まった「風騒音シミュレーター」の音響風洞実験室(以下の写真、資料:大成建設)

この装置には角の大型吹き出し口を備えており、1.5m角のものだと最大風速25m/s、1.0m角のものだと

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

最大風速40m/s

 

という、これまでにない高風速を再現できるのです。

風騒音は昼間はさほど気にならなくても、夜になるとひときわうるさく感じることがあります。

これは、道路や市街地などから発生する「暗騒音」が夜は少なくなるのに対し、風騒音の大きさは変わらないため、風騒音が耳につきやすくなるためです。

そこでこの風シミュレーターでは、外装材から発生した風騒音に、様々な場所、大きさの暗騒音をミックスさせる「暗騒音付加システム」を導入し、実際の建物空間での聞こえ方を体感、評価できるようにしました。

例えば、風によって外装材から「ブォーン」という共振音を伴った風騒音が発生していたとき、市街地ではうるさく感じますが、一般道路の近くでは暗騒音に隠れてしまい、あまりうるさく聞こえないことを騒音のスペクトル解析で見える化します。

市街地(暗騒音50dBA)での風騒音と暗騒音の音圧レベルを、周波数によってスペクトル解析したもの。風騒音の共振音部分(赤線)が暗騒音より飛び出しており、うるさく聞こえることがわかる

市街地(暗騒音50dBA)での風騒音と暗騒音の音圧レベルを、周波数によってスペクトル解析したもの。風騒音の共振音部分(赤線)が暗騒音より飛び出しており、うるさく聞こえることがわかる

一方、一般道路(暗騒音70dBA)では、風騒音が暗騒音に隠れてしまい、あまり聞こえないことがわかる

一方、一般道路(暗騒音70dBA)では、風騒音が暗騒音に隠れてしまい、あまり聞こえないことがわかる

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外装材の部材や風の流れが共振して騒音を起こす場合、その発生原因を実際の建物で突き止めるのは容易なことではありません。

この風シミュレーターが画期的なのは、実験室の吹き出し口の角度や風速を様々に変えて計測することにより、風騒音が大きくなる風速や風向の条件を

 

「見える化」

 

できるところです。

風向や風速を変えて、外装材から発生する風騒音を計測することにより、音が大きくなる条件を見える化した例。振動音が発生する条件も一目瞭然だ

風向や風速を変えて、外装材から発生する風騒音を計測することにより、音が大きくなる条件を見える化した例。振動音が発生する条件も一目瞭然だ

大成建設ではこのシミュレーターを使って、建物の設計・施工時に最適な仕様を決めたり、風騒音が発生しない外装材の開発を進めたりするそうです。

強風域での風騒音対策を実験で“フロントローディング”できるようになったとは、驚きですね。

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