管理人のイエイリです。
土工やコンクリート工事などの生産性向上を目指し、「i-Construction」を展開する国土交通省は、ICT(情報通信技術)による下水道事業の持続と進化を実践する「i-Gesuido」という取り組みを始めます。
その一環として、2017年度にまず開始するのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
下水道BIM/CIM
導入モデル事業なのです。
下水処理場やポンプ場は、土木、建築、機械、電気設備が入り組んでおり、相互に関係しています。
下水道事業にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を導入することで、設計段階の合意形成や意思決定を迅速化しするほか、設計の可視化や図面の整合性確保により設計ミスや手戻りの減少を狙います。
また、施工段階では現場内の期間個所を事前にチェックして事故を防ぎ、施工手順の最適化や現場内での円滑な情報共有により、施工性を向上させ、工事日数を短縮することを狙います。
そして維持管理にもBIM/CIMのモデルを使うことで、的確な管理を行い、下水道事業の効率を向上させます。
ここまでBIMとCIMが一体化した取り組みも、珍しいのではないでしょうか。
モデル事業は建設工事としては、日本下水道事業団とNJS共同提案体が実施する段畑雨水ポンプ場(京都府福知山市)の土木・建築工事(新設)と、鶴見川クリーンセンター(東京都町田市)の機械・電気設備工事(増設)、機械・電気改築工事としては、日本下水道事業団と日本水工設計共同提案体が実施する浄化センター(山形県寒河江市)の機械・電気設備工事(改築)が対象です。
これらの工事では、発注図書の作成、入札・契約、現地踏査、施工計画の策定の各行程で、下水道事業にBIM/CIMを導入することによる人員数や時間、品質、コストなど効果を定量的に把握します。
今回、下水道BIM/CIM導入のもとになった「i-Gesuido」には、BIM/CIMのほかストックマネジメントや水処理革命、IoTやビッグデータ活用による「雨水管理スマート化2.0」からなる4本の柱があります。
さらに、「他分野との連携」という部分をよく見てみると、
高齢者世帯の見守り
といった下水道活用の斬新なアイデアも盛り込まれているのです。
確かに、人が生活しているとトイレや炊事場などを使うので、その結果は下水道の使用量にも表れてきます。
このほか「排水水質監視による感染症の予兆把握」という項目もあり、下水道水質をモニタリングすることで、都市全体の健康チェックも行えそうですね。