建機の動きをIoT化!竹中工務店や日立建機が現場に「次の一手」
2017年7月31日

管理人のイエイリです。

工事現場で稼働するタワークレーンや工事用エレベーターなどが故障したとき、これまでは現場からの電話連絡で機械の保守を担当する技術者が現場に急行し、現物を調査、修理などの対応をするという流れが一般的だったのではないでしょうか。

これだと時間的なロスが多く、工程にも影響しかねません。そこで、竹中工務店は複数の現場の機器を遠隔監視するクラウドシステムを開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

IoT技術を活用

 

し、故障の予兆や発生をリアルタイムに把握するとともに、迅速な検査や修理対応が行えるのです。

IoTとは、もちろん「モノのインターネット(Internet of Things)」です。

IoTを活用した工事用機械の遠隔監視システム(資料:竹中工務店)

IoTを活用した工事用機械の遠隔監視システム(資料:竹中工務店)

このシステムは異なるメーカーの工事用機械を一元管理でき、これまで監視や観測していなかった機械を管理したり、活用しきれなかったデータを分析・処理したりすることができます。

その結果、複数の工事現場にある工事用機械の稼働状況を見える化できるようになります。

IoTのポイントは、分析したデータを現場にいかにフィードバックしていくかです。同社は施工計画や省エネなどにも機械のデータを生かし、生産性向上に役立てるほか、収集されたビッグデータを機械の制御や自動化にも活用していくことを目指しています。

一方、日立建機も工事現場の動きをIoT化する「Solution Linkage Mobile(ソリューション リンケージ モバイル)」を開発しました。

工事現場の見える化、進ちょく管理のほか、機械と人との接近検知という機能を持っているのが特徴です。

「Solution Linkage Mobile」の全体イメージ(資料:日立建機)

「Solution Linkage Mobile」の全体イメージ(資料:日立建機)

現場で稼働する建機やダンプトラック、作業員の位置情報を、スマートフォンなどのモバイル端末からクラウドに吸い上げて地図上に表示することにより「見える化」するほか、ダンプの運搬回数や土量をリアルタイムに把握することで進ちょく管理や台数増減を行います。

そして、クラウドに収集された位置情報を活用し、作業員が建機やダンプトラックと接近したときは、モバイル端末で

 

運転手と作業員に通知

 

することができるのです。

IoTで安全に関する情報を運転手と作業員の双方にフィードバックすることで、従来のセンサーや映像による安全対策と異なり、「死角」もなくなりそうです。

このシステムの開発に当たっては、北海道留萌市の堀口組などと顧客協創プログラムを実施し、現場の実態把握や現場での実証、課題や解決アイデアの抽出などで協力を得ました。

2018年4月から、国内向けに提供を始める予定です。

顧客協創プログラムによる顧客へのレビュー(写真:日立建機)

顧客協創プログラムによる顧客へのレビュー(写真:日立建機)

建機の動きをリアルタイムに把握し、データによって見える化するとともに、コンピューターで分析しながら生産性向上や安全確保のための「次の一手」を現場にフィードバックするというのは、IoTならではの有効な活用方法と言えそうです。

(Visited 4 times, 1 visits today)

Translate »