管理人のイエイリです。
米国カリフォルニア州のサンノゼ市で、産業用ドローン(無人機)をテーマにした展示会イベント「Drone World Expo 2017」が開催されました。
展示会場には、大小さまざまなドローンの機体から、3Dモデル作成用のソフト、空撮・測量関連のサービスなどが一堂に集まり、セミナー会場ではドローンの技術開発や活用動向などの最新情報が報告され、約3000人が来場しました。
その中でも、アメリカらしい画期的なプロジェクトを発表したのは、サブリューイング・エアクラフト社(Sabrewing Aircraft Company)です。
「パシフィック・ドローン・チャレンジ(Pacific Drone Challenge)」と題したそのプロジェクトは、ドローンを使って
ナ、ナ、ナ、ナント、
太平洋横断レース
を行うものだったのです。
その内容は、日本の東北地方または北海道を離陸し、サンノゼ北部にあるモフェット空港(Moffet Federal Airport)までの約4500カイリ(約8300km)の間を、ドローンでノンストップ飛行させようというものです。
ドローンレースを企画した理由についてエド・デ・レイスさんは、「航空界では1908年のドーバー海峡横断や1927年のリンドバーグによる大西洋横断、そして1986年のボイジャー号による無着陸・無給油による世界一周飛行などのチャレンジが行われ、技術の進歩が行われてきた。ドローンによる太平洋横断レースを実現することによってドローン技術をまた一歩、進化させたい」と語っています。
これだけの距離を飛ばす必要があるので、ドローンと言っても工事現場の空撮に使われている小さなものではなく、実物のセスナ機くらいの大きさを想定しています。
サブリューイング・エアクラフト社はレースの主催者になるべく、スポンサーを募集しているほか、自社でもチームを結成して出場したいとのこと。
同社がこのドローンレース用に構想している機体は、電動ファンを動力源とした幅9.1m、長さ6mのもので、高さ2万1000フィート(約6700m)を巡航速度100ノットで飛行できるものです。
ドローンには通常の飛行機と同じく、航空官制官と交信できる無線機を搭載し、衛星通信を使って地上から遠隔操作することで、有人機と同じ方式で飛行できるようにするとのことです。
さすが、アメリカらしい壮大な構想だなと、感心していたところ、この計画には
ナ、ナ、ナ、ナント、
日本人が参画していた
ことが明らかになりました。
東京・新宿にあるアイ・ロボティクスで財務担当取締役を務める齋藤和紀さんがその人で、ベンチャー業界での資金調達などのノウハウを生かして、エドさんらとともにこのプロジェクトを進めています。
一見、無謀にも思えるこのプロジェクトですが、現実には米軍が無人偵察機を飛ばすなど、実機サイズのドローンは既にどんどん世界の空を飛行しています。
“日本発”のこのプロジェクトを、ぜひ、実現してほしいですね。