“測量ロボ”と働く気分?三井住友建設がスマホと無人測量機で1人測量
2017年12月1日

管理人のイエイリです。

工事中の測量作業にはこれまで、測量機をのぞいて測る側に1人、構造物上でプリズムを持つ人が1人~数人と、何かと人手がかかります。

そこで三井住友建設は、プレストレストコンクリート橋(PC橋)の架設中に行う測量作業を少ない人数で行える「SMC-Oneナビ」というシステムを開発しました。

無人の自動追尾機能付き測量機(トプコンのLN-100)を、スマートフォンで遠隔操作する方法により、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

1人だけで測量

 

することができるようになったのです。

SMC-Oneナビの全体概要図(以下の資料:三井住友建設)

SMC-Oneナビの全体概要図(以下の資料:三井住友建設)

 

平成27年度牧港高架橋上部工(P4~P6)工事(沖縄県浦添市)で壁高欄の型枠天端高さを計測した例。測量機にはトプコンの「LN-100」を使用。望遠鏡がなく、スマートフォンで遠隔操作する

平成27年度牧港高架橋上部工(P4~P6)工事(沖縄県浦添市)で壁高欄の型枠天端高さを計測した例。測量機にはトプコンの「LN-100」を使用。望遠鏡がなく、スマートフォンで遠隔操作する

測量係はプリズムを持って測りたい場所に移動し、スマホで測量機から座標データを受信する

測量係はプリズムを持って測りたい場所に移動し、スマホで測量機から座標データを受信する

PC橋を張り出し架設するとき、橋桁の先端に長さ3~4mの型枠や鉄筋、PC鋼材などを配置し、コンクリートを打設する工程を10日ごとに繰り返します。

このとき、型枠の高さや平面位置を何度も確認しながら作業を進める必要があるので、これまでは多くの係員が必要でした。

それが、SMC-Oneナビを開発したことにより、1人の測量係員がプリズムを持って測りたい場所に行き、スマホで測量機で測った座標データを受信できるようになったのです。

設計値と現場の値をリアルタイムで比較、確認できるので、施工もスピードアップしそうです。

複数の個所を何度も測りたいときは、プリズムを計測点に置いておけば、測量機が自動的に各計測点を視準し、その座標データをスマホに送ってくれます。

国道45号夏井高架橋工事(岩手県久慈市)で型枠のセット時に各部の位置を計測した例

国道45号夏井高架橋工事(岩手県久慈市)で型枠のセット時に各部の位置を計測した例

型枠上に複数のプリズム(矢印)が置いてある

型枠上に複数のプリズム(矢印)が置いてある

これまで複数の係員で行っていた繰り返し作業が1人でできるようになったので、

 

生産性も人数分向上

 

したことになりますね。

また、計測したデータはクラウドシステムに送って保存し、自社開発の専用ソフトで調書データも出力できます。

三井住友建設は今後、PC鋼材の配置や橋面高さなどの施工管理にもSMC-Oneナビを活用するほか、2016年に開発した「橋梁3次元モデル作成システム(SMC-modeler)」(当ブログ2016年12月21日付けの記事を参照)との連動も行っていく予定です。

橋梁3次元モデル作成システム(SMC-modeler)との連携も計画中だ

橋梁3次元モデル作成システム(SMC-modeler)との連携も計画中だ

こうなると、自動追尾の測量機を使って作業するというより、“測量ロボ”と一緒に働いている感覚ですね。

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