管理人のイエイリです。
GIS(地理情報システム)と言えば、町や国、さらには地球上で起こっていることを地図上に整理して可視化し、分析するものです。地図をベースにしたシステムなので、これまでは“平面的”なイメージがありました。
しかし、これからはGISも“立体的”なシステムへと進化していきそうです。
というのも、GISシステムの大手企業、米Esriが
ナ、ナ、ナ、ナント、
米オートデスクとパートナー
シップを結ぶことが明らかになったからなのです。(オートデスクの日本語リリースはこちら)
今回の提携により、オートデスクが得意とするBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の技術と、Esriが得意とするGISの技術を緊密に統合し、これまで以上に情報でつながったインフラ管理を行えるようにするとのことです。
例えば、オートデスクの「AutoCAD Civil 3D」や「InfraWorks」で作った構造物や地形の3Dモデルと、Esriの「ArcGIS」との間で読み込み/書き出しのデータ互換性を高めることなどを予定しています。
これによって、“平面的”だったGISが、“立体的”なデータベースへと進化することが期待できますね。
また、Esriのウェブサイトを見ると、地理情報システムをさらにリアルタイム化することに力を入れているようです。例えば、カーナビの走行データを収集・可視化したり、クルマに積んだカメラやセンサーで街中を歩く人をとらえて危険箇所を地図上に可視化したり、建物内の人の位置を把握したりといったシステムです。
こうしたデータを可視化するためには、そのベースとなる地図も3D化されていないと建物の別の階の情報をわかりやすく表示しにくいですね。
また、BIM/CIM界では建物や土木構造物の3Dモデルに、現実の世界で起こっていることを属性情報やリンク情報としてひも付け、維持管理に使いたいというニーズも増えてきました。
こんなとき、EsriがこれまでGIS開発で培ってきた現実のデータ収集技術が役に立ちそうですね。
これは、言い換えると
BIM/CIMをIoT化
のプラットフォームとして活用するための本格的な動きが始まったということでしょうか。
両社は自然環境や建設された場所、人の関係を可視化して、様々な業界で有効活用することに取り組むとのことです。
日本は少子高齢化によって人口がどんどん減っていく傾向にありますが、世界的に見ると今後、30年間に世界の人口は25億人増加し、その70%が都市部に居住することが予想されています。
そのため、国によっては増加する都市人口に対応するため、急ピッチで交通インフラや居住施設などの整備を効率的に行っていく必要があります。
ブラックボックスが多かった都市内の人やインフラ、自然現象の動きをリアルタイムで把握し、コンピューターやAI(人工知能)によって最適なソリューションを導き出し、整備に生かしていくためには、町全体を3DによってIoT化していくことが必須になってきたのかもしれませんね。