管理人のイエイリです。
建物で火災が発生したときに、中の人が安全に避難できることを証明する「避難安全検証法」として、建築基準法では一律の仕様規定に従う方法(ルートA)と、計算式で証明する方法(ルートB)、いくつものコンピューターシミュレーションによる方法(ルートC)の3つがあります。
建築ピボットは、このうち「ルートB」の手法に従った火災時の安全検証を行うソフトの最新版として「避難検証法 Ver.3」を2018年2月20日に出荷することになりました。
計算式で証明する「ルートB」で検証した結果は、数字ばかりになりそうな気がしますが、今回の新バージョンでは火災が発生してから避難が完了するまでの状況を
ナ、ナ、ナ、ナント、
3Dシミュレーション
で再現する新機能が搭載されたのです。
この機能は、計算結果から煙の拡散時間を想定し、計算された経路に従って避難する人の動きや滞留、煙の効果の様子を時々刻々と観察できるようにしたものです。
例えば、パーティーなどが行われている大会場の真ん中で、火の手が上がった場合の3Dシミュレーションは次のようになります。
煙はまず天井まで上がって、徐々に下がってきて、高さ1.8mになるまでに避難する必要があります。3D画面上でそれと同じように表示すると、人の動きや取り残された人がわかりにくくなるので、あえて
黒い水が床から迫る
ような表示方法をとっているところに工夫を感じます。
この3Dシミュレーションの結果から単に避難完了までの時間だけでなく、その間に混雑しそうな出口や階段、通路などをリアルに予測できるため、より安全な避難経路を検討するためのヒントが得られそうですね。
このほか、3D表示により平面プランや天井高、ドアのタイプなどが容易に確認できる機能や、建築ピボットのシンプルBIMソフト「i-ARM」とのデータ連携、計算実行の際にデータの矛盾を発見する機能などが新たに搭載されました。
気になるお値段ですが、新規購入の場合は38万円(税別)です。2018年6月30日までは34万2000円(同)のキャンペーン価格が適用されるそうです。