管理人のイエイリです。
建物の鉄筋が、設計通りに配置されているかを確認する配筋検査は、品質管理の要とも言える重要な業務です。
矢作建設工業(本社:名古屋市東区)では、この業務に使う配筋チェックシートを2次元図面の情報を転記して作成していたので、シートと設計が合っているかを確認する必要があり、現場技術者の大きな負担となっていました。
この確認作業をなくすため、同社は「配筋チェックシート自動作成プログラム」をこのほど開発しました。
構造設計時に作成した構造BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ワンクリック
するだけで、配筋チェックシートを自動的に作ってくれるのです。
構造BIMモデルの情報を直接、チェックシート化できるため転記ミスがおこらず、これまで長時間を要していた設計図とシートの確認作業が不要になります。
このプログラムが開発されたことで、従来に比べてチェックシートの作成時間は、約90%も削減されました。
また、これまでは柱や梁の断面リストを作成する際、構造BIMモデル→断面リストの一方向連携で作成していたため、設計変更があった場合はそれぞれ別々に修正する必要がありました。
今回、開発したプログラムでは、
断面リスト→構造BIM
への逆方向連携の機能も設け、BIMと断面リストの双方向連携を実現しました。
そのため、設計変更時も作業しやすい方を修正するだけでいいので、修正時間は従来に比べて約30%短縮できるようになりました。
同社は建築工事の設計・施工一貫比率が高いため、今後も設計から施工までの各段階でBIM活用による生産性向上に取り組んでいくそうです。
BIMを使ったワークフローの中でも、細かく見直してみるとまだまだ非効率な作業は残っているようですね。それを一つ一つ、カイゼンしていくことで、少しずつ成果となって実ってきます。
こうした取り組みができるのも、矢作建設工業のBIM活用が熟練度を増してきたからに違いありません。