室内を歩くと見取り図に!FAROが現地調査用2Dレーザースキャナーを発売
2019年4月5日

管理人のイエイリです。

建物のリニューアル工事では、設計に先立って室内の見取り図を作ります。これまでは、メジャーやレーザー距離計などを使って建物の各部を測りながら図面を起こし、細かい部分の補足情報として写真を撮ったり、メモ書きしたりしていました。

3DレーザースキャナーメーカーのFAROは、これらの現地調査作業をまとめて行えるコンパクトな2Dレーザースキャナー「FARO SCANPLAN」をこのほど発売しました。

現地調査用の2Dレーザースキャナー「FARO SCANPLAN」(以下の写真、資料:FARO)

現地調査用の2Dレーザースキャナー「FARO SCANPLAN」(以下の写真、資料:FARO)

重さ1.5kgのスキャナーに、スマートフォンをセットすると前方230度をカバーするように毎秒約2万9000回のレーザー光線が発射されます。

これを持って調査する室内を歩き回るだけで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

2D見取り図が自動作成

されるのです。

スキャナーを持って歩き回るとスマホの画面に部屋の見取り図ができてくる

スキャナーを持って歩き回るとスマホの画面に部屋の見取り図ができてくる

点群で表示されたフロア全体の見取り図

点群で表示されたフロア全体の見取り図

CADデータ化された見取り図

CADデータ化された見取り図

まずは点群でラスター画像のような見取り図ができますが、これをDWGやPDFなどのCAD図面に変換することも可能です。

また、現場にある設備などを写真に撮ったり、周囲を360度パノラマカメラで撮影したりして、見取り図上にリンクすることもできます。

必要な部分は写真を撮って見取り図上に撮影位置をリンクする

必要な部分は写真を撮って見取り図上に撮影位置をリンクする

360度パノラマカメラと連携撮ることも可能

360度パノラマカメラと連携撮ることも可能

作成された図面や写真などのデータは、クラウドサーバーにアップすると、離れたところにいる設計者にも瞬時に送れます。そして設計者は図面や写真を見たり、必要に応じてVR(バーチャルリアリティー)ゴーグルで360度写真を見たりしながら、現場の細かいところを確認できます。

「見取り図データをクラウドで送ったよ」と、離れたところにいる設計者(右)に連絡

「見取り図データをクラウドで送ったよ」と、離れたところにいる設計者(右)に連絡

見取り図や写真で現地を確認する設計者

見取り図や写真で現地を確認する設計者

さらにリアリティーの高い現場確認のためにVRゴーグルを着用する設計者

さらにリアリティーの高い現場確認のためにVRゴーグルを着用する設計者

360度パノラマ写真を見回せる

360度パノラマ写真を見回せる

FAROらしい機能として、その次に行う現地計測のため、3Dレーザースキャナーの

最適な据え付け場所

を自動的に提案し、スキャン作業にかかる時間や点群の間隔などを計画してくれる機能も備えています。

3Dレーザースキャナーを据え付ける最適な場所や作業時間なども自動計画される

3Dレーザースキャナーを据え付ける最適な場所や作業時間なども自動計画される

3Dレーザースキャナー計測を行うときは、据え付ける点まで誘導する機能もあり、SCANPLANのグリップエンドに仕込まれたレーザーポインターで“墨出し”してくれるという機能まで付いています。

3Dスキャナーを据え付ける場所まで誘導・レーザーポインターによる墨出しする機能も

3Dスキャナーを据え付ける場所まで誘導・レーザーポインターによる墨出しする機能も

場所を変えながら計測した複数の点群データは、見取り図上で仮合成されており、さらにソフトウエアで精密な合成作業を行えるようになっています。

計測された点群データは、既に仮合成されて見取り図上に配置されている

計測された点群データは、既に仮合成されて見取り図上に配置されている

正式に合成された点群データ

正式に合成された点群データ

これだけ細かい図面や写真、点群データがあれば設計者は現地に行かなくても、“バーチャル現地調査”を行ってすぐに設計に取りかかることもできそうですね。

3D点群データやクラウド、そしてVRやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使うことで、“移動のムダ”をなくすことができれば、建設業の生産性は大きく向上しそうです。

「SCANPLAN」の活用イメージ(FAROのYouTube動画より)

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