管理人のイエイリです。
amuse oneself(本社:大阪市北区)といえば、2014年に日本で初めてドローン搭載用のレーザースキャナーを発売するなど、独自の産業用ドローンの開発で知られています。
小型エンジン発電機を搭載し、長時間の連続飛行を可能にしたハイブリッドドローン「GLOW.H」もその一つです。2021年3月には港湾空港技術研究所(所在地:神奈川県横須賀市)と、沖縄県の西表島で広大なサンゴ礁の水中地形を3D計測することに成功しました。(2021年4月6日の当ブログ参照)
同社はこのほど、このドローンを使って新たなチャレンジを行いました。
ドローンで計測した3D点群データを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
リアルタイム伝送
することに成功したのです。(amuse oneselfのプレスリリースはこちら)
このチャレンジは2025年6月5日、KDDI(本社:東京都千代田区)、KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市)とともに行われ、ノマックドローンフィールド(所在地:大阪府豊能郡能勢町)の上空から計測した点群データを、amuse oneselfの本社にリアルタイム伝送したものです。
点群計測には水中地形も計測可能な「TDOT 7 GREEN」を使用し、データ伝送にはKDDIらが開発した3D点群圧縮ソフトと、KDDIスマートドローンが提供する4G LTE回線「上空電波パッケージ」を使いました。
点群データをドローンからリアルタイム伝送するためのポイントは、データ量の多い点群データをドローンに搭載された小型軽量のコンピューター「NVIDIA Jetson」で圧縮し、データ量を5分の1から20分の1に減らしたことです。
これにより、ドローン用の4G LTE回線でも点群データのリアルタイム伝送が可能になりました。
リアルタイム伝送が本領を発揮するのは、豪雨や台風などによる水害が起こった時です。
これまでは現場の被害状況を3D点群で計測した後、ドローンからデータの入ったメモリーを取り出して事務所に運んで解析したり、クラウドにアップロードしたりする必要がありました。
それがリアルタイム伝送されることで、被災状況の詳細な把握にかかる時間が、従来の
数時間から数分に
短縮でき、より迅速な救助や復旧への対応が可能になるのです。
この点群伝送システムは「TDOT 7 GREEN」「TDOT 7 NIR」のオプションとして、発売される予定です。
このシステムは、2025年6月18日から6月21日まで幕張メッセで開催される「CSPI-EXPO2025」のamuse oneselfのブース(小間番号:20-11)に出展されます。ご興味のある方は、出掛けてみてはいかがでしょうか。