管理人のイエイリです。
ドローン事業を展開するアミューズワンセルフ(本社:大阪市中央区)は、水面下も3D計測できる日本初のドローン搭載型グレーンレーザースキャナーを開発したことで知られています。
当ブログ2019年2月5日付けの記事では、このグリーンレーザースキャナーで、水面下約3.4mの川底面の3D計測に成功したことをお伝えしました。
その後、水面下の計測性能はさらに進化を続けていたようです。
2021年3月1日、港湾空港技術研究所(神奈川県横須賀市)とアミューズワンセルフは、沖縄県の西表島で全長約2.6km、幅1kmの海底や珊瑚礁の地形をドローンに搭載したグリーンレーザースキャナーで計測することに成功しました。
そのとき、
ナ、ナ、ナ、ナント、
最大水深は約20m
にも達したのです。(港湾空港技術研究所、アミューズワンセルフのプレスリリースはこちら)
計測データの高さ方向の誤差は±2cmと高精度でした。ドローンでこれだけの水深まで3D計測できるとは、驚きですね。
これまで、海底地形の計測は船からソナーを使って音響測深するのが一般的でした。しかし、水深が浅い砕波帯での計測は危険で困難でした。
しかし、砕波帯では波のエネルギーが大きく減衰するため、地形が大きく変化しているので、その形状を計測するニーズは多いのです。
ドローンに搭載したグリーンレーザーで砕波帯など沿岸の詳細な地形を計測できるようになれば、波浪予測や地形変化の予測なども行いやすくなります。
今回のサンゴ礁計測で、もう一つドローンの進化がありました。それは「ハイブリッドドローン」の採用で
滞空時間が2時間以上
に延びたことです。
ハイブリッドドローンとは、ガソリンエンジン発電機「レンジエクステンダー」を搭載したドローンのことです。
ローターは電動モーターで駆動することで高精度の制御が行える一方、電源はエンジンから供給されるので、バッテリーの容量に左右されることなく滞空時間を延ばせます。
ハイブリッドドローンに搭載したグリーンレーザースキャナーで、長時間にわたり海底地形を計測したのは世界初とのことです。
こんな便利なものを作っているのは、小川精機(本社:大阪市東住吉区)という会社です。
往年の模型飛行機マニアの方なら、エンヤ、Fujiと並ぶおなじみの模型エンジンブランド「OS」で知られるあの小川精機なのです。
ドローン全盛の今、模型用エンジンは影を潜めたかと思いきや、発電機とセットになってドローンの電源として活用されていることを知り、うれしくなりました。