ブルーイノベーションが“かご型ドローン”用LiDARを発売! 340mのトンネルを18分で高速点群計測
2024年1月24日

管理人のイエイリです。

トンネルや建物の内部など、狭い場所でドローン(無人機)を飛ばすとき、ローターが周囲のものに接触して墜落する心配があります。

そんな時、安心なのが、ドローンのローターごと「かご」で覆われた「球体ドローン」です。

ドローンやロボットのソリューション開発を手掛けるブルーイノベーション(本社:東京都文京区)は、同社の球体ドローン「ELIOS 3」に、

ナ、ナ、ナ、ナント、

高性能LiDARを搭載

できる新製品「測量ペイロード」を、2024年1月18日に発売したのです。(ブルーイノベーションのプレスリリースはこちら

測量ペイロードを搭載した「ELIOS 3」。かご中の機体後部にLiDARが斜めに付いている(以下の写真、資料:ブルーイノベーション)

測量ペイロードを搭載した「ELIOS 3」。かご中の機体後部にLiDARが斜めに付いている(以下の写真、資料:ブルーイノベーション)

LiDARと反対側には、かごから飛び出すように上下に±90°旋回するカメラやLEDライトが付いている

LiDARと反対側には、かごから飛び出すように上下に±90°旋回するカメラやLEDライトが付いている

LiDARの照射距離は最大100mで、かごの内側に搭載されます。FAROの点群処理ソフト「FARO Connect」と組み合わせて使うことで、正確度は0.1%、標準偏差に基づく精度は±6mmと高性能な点群データが得られます。

一方、ELIOS 3の前方には上下に±90°旋回するカメラやLEDライトが付いており、LiDARによる点群計測と、カメラ映像の解析で自己位置を計測する「SLAM」の技術を同時に使って、スピーディーに高精度な点群計測を行えるのです。

前方のカメラと後方のLiDARを使って、トンネル内を高速点群計測できる

前方のカメラと後方のLiDARを使って、トンネル内を高速点群計測できる

例えば、長さ340mの鉱山トンネルの場合、測量ペイロードを搭載したELIOS 3は、で点群計測が可能です。

従来の地上型3Dレーザースキャナーの場合、6~7回の計測が必要で、約2時間かかるので、大幅な生産性向上が実現します。

トンネル内を計測した点群データ

トンネル内を計測した点群データ

長さ340mの鉱山トンネルを点群計測するスピードの違い。18分の間に地上型スキャナー(左)は15%しか計測できないが、測量ペイロード搭載のELIOS 3なら計測を完了できる

長さ340mの鉱山トンネルを点群計測するスピードの違い。18分の間に地上型スキャナー(左)は15%しか計測できないが、測量ペイロード搭載のELIOS 3なら計測を完了できる

建物内を計測した点群データ。壁から柱が突き出した部分も正確に計測されている

建物内を計測した点群データ。壁から柱が突き出した部分も正確に計測されている

計測した点群データは、「FARO Connect」を使って、ビジュアルな表現で見たり、汎用的な点群データ「.las形式」に変換してさまざまなCADソフトやBIM/CIMソフトで使ったりすることができます。

FARO Connectによる点群データの処理も可能

FARO Connectによる点群データの処理も可能

そして、広い坑道などの全体を計測する場合は、点群計測時に

標点となる反射板

を現場に設置しておくことで、複数に分けて計測した点群データを一つにまとめることができます。

評点となる反射板を目印に、広大な坑道の点群を1つにまとめた例

評点となる反射板を目印に、広大な坑道の点群を1つにまとめた例

測量ペイロードの光感度は従来の10倍もあるので、特徴点が少なく、細長い通路ないなども正確に点群計測が行えます。周囲にかごが付いた球体ドローンの機動力と実力を、再発見させてくれるような製品ですね。

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