APEXらがハンディー機器で港湾施設を点検! 消波ブロックの老朽箇所を歩くだけで3Dデータに
2025年2月7日

日本の港湾施設では、コンクリート構造物の老朽化が深刻な課題になっています。

特に波の力を減衰させる消波ブロックの破損は、施設の劣化を加速させ、重大な事故につながるリスクがあります。

これまで、数多くの消波ブロックの点検は人による目視点検が主流でしたが、変状の見落としや作業時間・労力の面で効率化が求められていました。。

この状況を改善しようと、APEX(本社:東京都渋谷区)は五省コンサルタント(本社:福岡市博多区)、実測(本社:福岡市博多区)と共同で、港湾施設の効率的な維持管理に向けた実証実験を行いました。

点検で使用したのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

SLAM100

という手持ち式のレーザー計測機器なのです。(APEXのプレスリリースはこちら

「SLAM100」で計測した消波ブロックの3Dデータ(左)。計測作業の様子(右)(以下の写真、資料:APEX)

「SLAM100」で計測した消波ブロックの3Dデータ(左)。計測作業の様子(右)(以下の写真、資料:APEX)

「SLAM100」の外観(左)。水平方向に360度旋回するLiDARが付いている(右)

「SLAM100」の外観(左)。水平方向に360度旋回するLiDARが付いている(右)

SLAM100」には回転式のLiDARが付いており、持って歩くことで周囲360度、上下270度の範囲を点群計測できます。また3つの5メガピクセルカメラを搭載しており、横200度、縦100度のパノラマ画像も撮影できます。

消波ブロックはお互いに組み合わさるように設置されているため死角が多く、一方向から撮った写真や点群だけではデータに映らない部分もあります。

その点、「SLAM100」は検査担当者が手に持って歩きながら点群計測でき、その計測過程はスマートフォンの画面でリアルタイムに確認できます。

この実験は2025年1月17日に行われました。SLAM100のほか、ドローンによるレーザー測量や写真測量も使用し、データの比較検証を行いました。

その結果、SLAM100を活用することで、風などの飛行条件に依存せず、歩きながら

詳細な3Dデータ

を迅速に収集できることがわかりました。

精度はセンチメートル単位なので、消波ブロック一つひとつを区別しながら、劣化状況をデータ上で確認し、補修計画や施工にも生かせそうですね。

ハンディー計測機器というと、室内などで細かいものを計測するのに使用するというイメージがありましたが、広大な港湾施設の維持管理を効率化できるというのは、意外でした。

APEXでは2025年2月から3月にかけて、SLAM100や同社の点群解析プラットフォーム「SIMPLEPOINT」の解説を行うオンラインセミナーを開催します。ご興味のある方は同社のウェブサイトから申し込んでみてはいかがでしょうか。

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