管理人のイエイリです。
橋梁や下水道などのインフラメンテナンスの世界では、ドローン(無人機)による調査がかなり普及してきました。
ジュンテクノサービス(本社:埼玉県川越市)でも、2018年からダムや河川、港湾など、水に関係したインフラ施設の調査・点検をドローンを使って幅広く行っています。
ドローンを操作するパイロット(以下の写真、資料:ジュンテクノサービス)●
ドローン調査と言っても、同社の場合は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
水に潜る水中ドローン
を使った調査なのです。(ジュンテクノサービスのプレスリリースはこちら)
水に関連したインフラ施設の調査に使う水中ドローン。ブルーの部分は2Dイメージングソナー●
同社が調査に使う水中ドローンはQYSEA社が開発した「FIFISH」シリーズという最新機種です。水中カメラのほか、水中の構造物などの断面形状を計測する2Dマルチイメージングソナー(Oculus M750d Dual-Frequency Multibeam Sonar)も搭載しています。
この水中ドローンを水中に投入し、遠隔操作で調査対象に近づきます。機体の向きを上下左右自由に傾けながら映像撮影や2Dソナーによる断面計測を行います。
管路内上面の変状箇所を水中で撮影した例●
変状部分を2Dイメージングソナーで見た断面形状●
橋梁の橋脚の維持管理では、付近の河床がえぐられる「洗掘」がよく問題になりますが、水中ドローンを横向けにして2Dソナーで計測することで、洗掘された河床の断面などもわかります。
橋脚の洗掘断面を2Dイメージングソナーで計測した例●
こうしたデータは、監視員が記録します。まるで潜水艦の乗組員が、それぞれの任務に就いて働いているようですね。
2024年に発売された新型水中ドローンでは、オプションツールで100mlの水を採取できる「ウォーターサンプラー」が搭載可能になりました。
このオプションを使うと、漏水が疑われる場所付近で色水を放出し、その行方を観測する
色水によるトレーサー検査
が可能です。
オプションツールの「ウォーターサンプラー」を装着した水中ドローン。色水を水中で放出し、その行方を追うことで漏水箇所をリアルタイムに特定できる●
ジュンテクノサービスの水中ドローン技術は、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS、登録番号:KTK-210002-A)や「点検支援技術性能カタログ」(BRO30060-V0024)にも掲載されています。
水中の構造物などを水を抜くことなく調査する方法として、従来の潜水士による調査に代わる、水中ドローンの活用を検討してみてはいかがでしょうか。