管理人のイエイリです。
プラント建設の大手、日揮は、AI(人工知能)やロボット、IoT(モノのインターネット)などを活用した日揮グループの新たなIT戦略「ITグランドプラン2030」を2018年12月に発表しました。
約1年前に発表された戦略ですが、2019年9月にはYouTube上にわかりやすいプロモーション映像が公開され、その具体的なイメージが明らかになりました。
その中身は、現在の建設業の建設プロセスを大きく変えるものばかりです。
例えば、構造物や基礎の施工には
ナ、ナ、ナ、ナント、
大型3Dプリンター
を現場に設置し、直接製造することを目指しているのです。
このほか、設計ではAIを使って自動設計、機材調達・建設工事ではプラントを小型モジュール化するほか、ロボットによる工場化や無人化を目指します。
そして、プロジェクト・マネジメントでは、実物のプラントをそっくりそのまま3Dモデルなどでデータ化した「デジタルツイン」を活用し、シミュレーションしながら最適な設計・調達・建設(EPC)を行うことをイメージしています。
こうしたプラントプロジェクトの大改革により、
人工は3分の1、速度は2倍
という、大幅な生産性向上を目指しているのです。
同社は「ITグランドプラン」の実現に向けて、短期、中期、長期のロードマップを設定しました。さらに3年単位の中期情報戦略を定め、担当役員が議長を務める委員会で実施状況をモニタリングしながら着実に活動を進めていくとのことです。
日本では今後、数十年のわたって生産年齢人口の減少が続いていきます。建設業もAIやロボットを使って、設計や施工のやり方を抜本的に変えていかないと、労働力不足に追いつきません。
では、建設業の現場はどんな風に変わっていくべきなのかという問題について、リアルなイメージができている人はほとんどいないのではないでしょうか。
日揮が取り組む「ITグランドプラン2030」は、1つの具体策を示したものとして、注目したいですね。