管理人のイエイリです。
2019年末に発表された国土交通省の「i-Construction大賞」の受賞プロジェクトには、一般の人が使える成果品もありました。
「i-Construction推進コンソーシアム会員の取り組み部門」で優秀賞を受賞した、関西大学関係者を中心とするIntelligent Style(本社:大阪市北区)の無料点群ブラウザー「3D Point Studio」もその一つです。
いったいどこでダウンロードできるのだろうと思って検索してみたところ、
ナ、ナ、ナ、ナント、
3D Point Studio
というウェブサイトを発見。ここからブラウザーをダウンロードできることが分かったのです。(3D Point Studioのウェブサイトはこちら)
無料であるにもかかわらず、さすがi-Construction大賞を受賞しただけあって、様々な機能があるようです。
例えば、点群を見る2つのモードです。ダウンロードした点群データを開いてみる「ローカルモード」と、クラウド上に保存されている点群をそのまま見られる「オンラインモード」が用意されていました。
巨大な点群データをダウンロードせずにみられるのは、ありがたいですね。
また、地形と構造物のBIM/CIMモデルを合体させたものから点群データを書き出す機能や、2つの点群を比較して差分を抽出する機能、さらにはプラグインによる機能拡張が可能など、本格的な作りになっています。
私もダウンロードしてみました。ソフト自体は数十メガバイトであっという間にダウンロードできました。
そして、圧縮ファイルを解凍すれば、インストールする必要もなく、実行ファイルをクリックするだけですぐに動作するというお手軽さです。USBメモリーなどに入れて持ち歩くと、いざというときどこでもすぐに点群データが見られそうですね。
早速、先日、兵庫県が無料公開した1mメッシュの高解像度点群を開いてみました。データは神戸市東部の「05OG61」の図郭に含まれる4番目のデータです。
兵庫県の点群データには、建物や樹木付きの「DSMデータ」と、地表面だけの「DEMデータ」があります。このブラウザーでは両方を読み込み、チェックボックスによって表示/非表示を切り替えることができます。
高精細の点群ですが、
非常に軽快に
クルクルと回転させたり、移動させたりして見ることができました。
データの中で甲南女子大学と思われる部分を拡大して、DSMとDEMを切り替えると、DEMの方は建物や樹木がきれいに取り払われていることがわかります。
これまで点群データを扱おうとすると、高価な3Dレーザースキャナーや点群処理ソフトが必要でしたので、やや敷居が高い感じでしたが、兵庫県や静岡県などが点群データを無料公開し、3D Point Studioのような無料ブラウザーが登場したことで、点群活用はこれから一気に普及期に入るかもしれませんね。