管理人のイエイリです。
建設業関係者なら、どこかの工事現場を見学に行きたいという相談を受けたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、面白そうな現場はないかと探すのに、これまでは国土交通省の各地方整備局のホームページなどを片っ端から当たっても、日程に合う現場見学会があればラッキーな方で、なかなか見つからず、あきらめるのが普通でした。
こうしたニーズにこたえてくれるのが、国土交通省総合政策局が開設している「インフラツーリズム ポータルサイト」です。
同サイトには「現場見学」や「民間主催ツアー」、そしてツアーのチラシなどを集めた「パネルコーナー」などが設けられており、最新のインフラツアーが、
ナ、ナ、ナ、ナント、
全328件も掲載
されている充実度なのです。(国土交通省のプレスリリースはこちら)
その内容を見てみました。まずは「現場見学」のコーナーには、国土交通省や地方自治体が実施している現場見学会などが、地方整備局別に合計300件以上(2020年1月10日現在。以下同じ)も載っています。
特に掲載件数が多いのは東北、中国、九州の各地整で、それぞれ50件以上の見学会が掲載されています。多くはすでに完成しているダムや橋などを見学するものですが、建設中の道路やトンネル、ダムなどを見学できるものあります。
例えば、高知県では、建設中の和食ダムは工事中の様子が見られ、横瀬川ダムでは試験淡水の様子が見られます。これらは見られる期間が限られているので、貴重な体験になりそうですね。
また、手軽に参加できる「民間主催ツアー」には、26件の情報がありました。この中には人気の首都圏外郭放水路や東京湾アクアライン、中部国際空港の滑走路見学、栃木県内の湯西川ダムや川治ダムでの水陸両用バスツアーなどが掲載されていました。
「トピックス」のコーナーでは、明治期に建設された公共土木施設の数々が紹介されています。例えば、愛知県愛西市にある「船頭平閘門(せんどうひらこうもん)」は、水位が違う木曽川と長良川を行き交うために設置されており、欧米の古い運河にあるような閘門と同じようなスタイルで、ノスタルジー感がたっぷりです。
そして、面白情報の宝庫とも言えるのが、「パネルコーナー」です。様々なインフラツアーのチラシなどを「レアもの・秘境・再発見」や「アイデア勝負」、「今が旬です」などのキーワードで分類しています。
例えば「いっぱいお勉強」コーナーの中には、岡山国道事務所が実施している
橋梁点検の体験ツアー
もあるのです。
実際に高所作業車に乗って、橋げたの裏を点検したり、ハンマーを持ってコンクリートの打音検査をしたりと、日ごろ、橋や道路がどのようにメンテされているのかを体験できます。
インフラツーリズムでは、「ダムカード」を集めるのが人気ですが、その次の段階として、実際に橋のキャットウォークを歩いたり、ダムの監査廊を歩いたりといった体験を、幅広い人々にしてもらい、土木・建築・設備のファンが広がってくることを期待したいですね。
そのために、国交省のインフラツーリズム ポータルサイトを、大いに活用しましょう。