管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトで初めて、建物を設計しようと思ったとき、どんな風にBIMモデルや設計図書用のテンプレートを作ったらいいのかと、誰もが悩みます。
実物の建物を建設するときに作成されたBIMモデルが見られると、とても参考になるのですが、施主との守秘義務などがネックとなり、公開されているBIMモデルはほとんどないと言っても過言ではありません。
そこでオートデスクは、日本の法規や基準に合致した、超リアルな中規模オフィスビルのBIMモデルを同社のBIMソフト「Revit」で作成し、このほど「Revit User Group」のウェブサイトで無料公開しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
意匠、構造、設備
がそろった日本初のサンプルモデルなのです。
そこでいったい、どんなBIMモデルなのだろうと、私もダウンロードしてみました。すると意匠(約62MB)、構造(約48MB)、設備(約182MB)というBIMモデルから構成されていました。
しかし、Revitは持っていないので、オートデスクのクラウドビューワー「AUTODESK VIEWER」を使って見ることにしました。Revitの体験版でも見ることができるとのことです。
一度、ダウンロードした意匠、構造、設備のBIMモデルを、今度は「AUTODESK VIEWER」にアップロードして待つこと十数分。ついにパソコン画面上にBIMモデルの全景が現れたのです。
モデルは一般モデルのほか、壁、床、ドアなど細かい部材に分かれており、「モデル」のメニューで目玉型のアイコンをクリックすることで表示/非表示が切り替えられます。
試しに構造部材だけを表示させてみると、柱と梁、杭などが出てきました。
今度は画面の下にある「断面」のメニューを使って、いろいろな角度で建物を切ってみました。断面の位置や角度もいろいろと変えられます。意匠、構造、設備がどのように納まっているのかが、よくわかりますね。
そして、最近のRevitを語るとき、ホットな話題と言えば、
設備モデルが充実
していることです。
このサンプルBIMモデルでも、屋上の空調機器や各階の衛生設備、照明機器がモデリングされています。
以上は3Dコンテンツを見てみただけですが、BIMモデルから平面図や矩計図、法規チェック図などの2次元図面を描き出せるテンプレートや、構造の床梁伏図や断面リストを作成するテンプレートもセットされています。
さらには設備のパラメトリックモデル約300点もダウンロードできるように用意されました。
オートデスクのAEC ソリューション日本開発責任者、菱田哲也さんは「サンプルモデルを提示させていただくことで、弊社の公開している API を活用したサードパーティツールなどの開発や、ガイドラインなどの策定、FM-BIMなど、BIM モデルを活用した業務効率化や付加価値向上の一助となればと思っております」というコメントを発表しています。
まだまだ、このサンプルモデルには奥が深い活用の道があるようです。Revitをお持ちの方はもちろん、他社のBIMソフトをお使いの方も、ダウンロードしてみてはいかがでしょうか。