管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の3Dモデルは、パソコンの画面上で見るだけでは大きさのイメージがなかなかつかめません。
そこで現実の空間の中にBIM/CIMモデルを実寸大で表示し、立体視できるのがMR(拡張現実)システムです。
SB C&S(本社:東京都港区)とホロラボ(本社:東京都品川区)は、3次元CADやBIM/CIMソフトで作成した3Dモデルを、MR用のデータに自動変換するクラウドサービス「mixpace」を開発してきましたが、2020年3月2日に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
HoloLens2やiPad
に対応した新バージョンのサービスを開始したのです。(SB C&Sとホロラボのプレスリリースはこちら)
HoloLens2は、Windows10で動作するゴーグル型のMR専用パソコンです。初代のHoloLensに比べて視野角が上下左右に2倍ずつ広がったため、目の前にはより大きな3Dモデルが表示されるようになりました。
また、直感的な操作方法の採用で、現実空間と3Dモデルの位置合わせが容易になりました。
BIM/CIMモデルをMR用に変換するのは、かなり面倒ですが、「mixpace」は手元のBIM/CIMモデルをクラウドにアップするだけです。
すると数分後に、MR用のデータに変換されるのでHoloLens2などにダウンロードすれば、すぐにMRで見られるという簡単さが売り物です。
3Dモデルのデータ形式は、RevitやIFCなどのほか、DWGやDXF、FBXなど、一般に使われている3Dモデルの形式にはほとんど対応しています。
83社のテストユーザーがそれぞれの3DモデルやBIMモデルをMRに変換した結果、合計371件の平均変換時間は3分26秒でした。以前に比べるとかなりスピードアップしたようです。
また、以前はHoloLensのデータ容量に制約があったため、大きなBIM/CIMモデルは扱えませんでしたが、今回、オートデスクが公開した
サンプルBIMモデル
をMR化し、iPadで見られたということが、ホロラボCEOの中村薫氏がツイッターで報告しています。
オートデスクのサンプルBIMモデルは、Revitで作られており、意匠、構造、設備を含む“フルBIMモデル”で、合計約300MBほどの容量があります。
このサンプルBIMモデルのおかげで、かなり大きなBIM/CIMモデルでも、MRで見られるようになったことがわかりました。これからの施工計画や施工管理に、現場でのMR活用が増えていきそうですね。