管理人のイエイリです。
最近、Zoomなどのテレビ会議システムを使ったオンラインセミナーが増えてきました。2020年6月17日の昼休みには日本HP主催の大判複合機の活用法についてのセミナーに参加、その直後の13時からは日本IBM主催のAI(人工知能)に関するフォーラムの基調講演と、興味のあるセミナーをはしごしました。
AIやデジタルツインというと、バーチャルな世界を想像してしまいますが、日本IBMのフォーラムで基調講演を行った清水建設専務執行役員 技術研究所長 石川裕氏によると「建設は重さを持った世界」である点がAI化の難しいとのこと。
その建設業での様々なAI活用の実例を動画で紹介しながらの講演は、見どころ満載でした。
基調講演の後、仕事を片付けていると1通のメールが届きました。送り主は、あの石川氏です。
その内容というのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
セミナーで言わなかった
ことを情報提供したいというのです。
その内容とは、石川氏が所長を務める清水建設 技術研究所では、NECネッツエスアイ(本社:東京都文京区)が販売する案内ロボット「ユンジ セイル」と名古屋大学発の自動運転ベンチャー企業、ティアフォー(東京オフィス:東京都文京区)が開発した物流用ロボット「ロージー」が動き回っているということでした。
これら2種類のロボットは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルと、ロボットに搭載した3Dスキャナーによって高精度な3次元点群地図を自動作成して自分たちの位置を推定します。
そして、技研内にあるエレベーターを使って建物の上下階を自由自在に移動しながら、“業務”をこなしているそうです。
ところで、2台とはいえ、複数のロボットが同時に建物内で動いていると、建物内ではち合わせして、ロボット同士の“にらみ合い”が発生し、スムーズな移動ができなくなってしまうこともあるでしょう。
しかし、清水建設どはそんなトラブルを解決する技術を既に開発していたのです。エレベーターなどの建物設備と、複数のロボットを統合制御することにより、
ロボット同士が譲り合い
ながら狭い通路を通行したり、エレベーターに順番に乗り込んだりできるとのことです。(清水建設のプレスリリースはこちら)
この統合制御技術は、清水建設が研究開発を進めてきた施設・街区と自動運転車両・ロボット間の「自動運転プラットフォーム」を利用しています。
自動運転プラットフォームのAPIを利用すると、ロボットと建物設備の連動システムを開発する必要がなくなるため、様々なロボット活用サービスを容易に開発できるとのことです。
これからの建物は、ロボットが働きやすいような空間づくりとともに、ハード・ソフト環境も考えた計画や設計が求められる時代になりそうですね。