管理人のイエイリです。
ビルやマンションなど不特定多数の人が利用する建物は、「建築基準法の12条」で、建物の状態を定期的に調査・点検し、3年ごとに地方自治体に報告することが義務づけられています。
最近は外壁タイルやモルタルの点検に、赤外線カメラを使うことが国や地方自治体に認められるようになりました。
そこでドローン・フロンティア(本社:東京都足立区)は、2018年からエアロエムズ(本社:神奈川県藤沢市)と業務提携を行い、ドローンによる赤外線外壁点検サービスを行ってきました。
前者がドローン(無人機)に赤外線カメラを搭載して、高層建物の赤外線映像などを撮影し、後者がデータ解析を分担するというスタイルです。
2020年7月3日、ドローン・フロンティアは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
エアロエムズをグループ化
することを発表したのです。(ドローン・フロンティアのプレスリリースはこちら)
このグループ化によって、赤外線外壁点検サービスの業務をすべてドローン・フロンティアが内製化できるようになり、作業スピードの向上や効率化、低価格化を実現できるようになりました。
しかし、ドローンや赤外線カメラには弱点もあります。それは都心部では法律や安全上の理由でドローンの飛行が難しいところがあったり、日が当たらないところでは赤外線撮影による点検ができないといった問題です。
この問題をクリアするために、ドローン・フロンティアは、ロッククライミングのように作業を行う
ロープアクセス工法
を専門とする4U(本社:東京都清瀬市)とも業務提携を行いました。
この業務提携によって、ドローンや赤外線カメラが使えない壁もロープアクセス工法によって打診点検が行えるので、ほぼすべての物件で「無足場での全面点検」ができるようになりました。
ちなみに、4Uは2020年1月に東京湾にかかるレインポーブリッジの塗装を、初めてロープアクセスによって実施した技術力があるほか、代表取締役の上田氏自身がドローン1級の資格を持っていますので、ドローンとの連携作業もスムーズに行えそうですね。
ドローン・フロンティアは今後、ビルやマンションの大規模修繕工事の積算や事前調査、法令点検などに、赤外線カメラを使った点検の販路拡大を図るほか、赤外線建物診断技能師の資格を持つスタッフを増員し、システム開発にも投資していきます。
そして、全国展開にも力を入れて国内主要エリアに支店を出したり、フランチャイズ展開を行ったりすることも視野に入れているとのことです。
ドローンとロープアクセスという意外な組み合わせですが、“足場レス”という共通点がきっかけとなったコラボレーションは興味深いですね。