オープンハウスがAI・RPAで不動産チラシを自動作成!開発は社員だけで
2020年7月10日

管理人のイエイリです。

建設業とともに、不動産もまた「紙文化」が根強く残る産業です。お客さんの心に響く紙のチラシを作るため、不動産会社の営業社員には、ちょっとした“クリエーター”としての才能が求められます。

しかしながら、営業社員の本来の仕事は、販売や賃貸の契約を一つでも多く取ることです。そのため、チラシの作成にあまり手間ひまをかけるのは得策ではありません。

不動産業では今でも紙のチラシが営業ツールとして重要だ(以下の資料、写真:オープンハウス)

この問題を解決するため、東京・名古屋・福岡を中心に不動産業を展開するオープンハウス(本社:東京都千代田区)は、画期的なシステムを開発し、2020年7月8日から運用を始めました。

そのシステムとは、不動産物件のデータベースから、AI(人工知能)や定型業務を自動処理するPRA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)で必要な情報や図面を抜き出し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

チラシを全自動で作成

してくれる業界初のシステムなのです。(オープンハウスのプレスリリースはこちら

チラシを作成する物件をコンピューターに指示する

すると2~3分後には物件チラシが自動的にできあがる

このシステムの“中のロボ”に、音声やテキストチャットなどで物件名を伝えると、RPAがチラシ作成に必要な情報を社内データベースからかき集め、AIが物件チラシを自動的に作成。2~3分後にはメールやチャットで依頼者に返信されます。

しかも、チラシは1種類だけではありません。「立地」「価格」「間取り」「学区」など、お客さんにPRするポイントを変えた様々なパターンで、最大14種類も作成できるのです。

そのため、商談中にお客さんのニーズを把握しながら、最適なチラシを選んで提案することができます。

 

 

PRポイントを変えた様々なパターンで、最大14種類のチラシを作れる

お客さんのニーズに合わせたチラシを選ぶことで、商談の成功率もアップしそうだ

また不動産チラシは、景品表示法によって内容などに制約があるため、そこから逸脱しないように社内で審査が行われています。このシステムではチラシを作る段階でAIがルールにのっとった正しい情報を自動入力するので、審査自体のプロセスも大幅に短縮されました。

その結果、同社ではチラシ作成作業が年間約2880時間、審査時間が約900時間も削減されたそうです。これはかなりの生産性向上につながりそうですね。

そして、チラシの片隅にはQRコードが付いており、お客さんはこれを手がかりに自分のスマホでチラシを見たり、営業担当者に電話やLINE、メールなどで連絡したりすることもできるようになっています。

QRコード付きのチラシ

営業担当者のタブレットからQRコードを読み込む

その後、スマホでチラシを再確認

気に入ったら、営業担当者にLINEやメールなどで連絡

かなり、よくできたシステムですが、開発は

オープンハウスの社員

だけで行ったそうです。

不動産業の社員自らがAIやRPAを駆使してシステムを開発するとは、世の中、進んできましたね。

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