管理人のイエイリです。
トイレの順番を待っている人がいるにもかかわらず、個室の中でスマホやゲームをしたり、ひどい場合は充電をしたりと、長時間利用する人が問題になっています。
これまでのトイレは、個室内に入ると外の状況が分からなかったので、「あー、待っている人がいたとは知らなかった」と、しらばっくれることもできました。
しかし、これからはこうした長時間の利用は難しくなりそうです。
東京建物とバカン(本社:東京都千代田区)は、東京建物が運営する「中野セントラルパークサウス」で、
ナ、ナ、ナ、ナント、
トイレ個室内にタブレット
端末を設置し、個室内でトイレの混雑状況がわかるシステムの実証実験を始めることになりました。(東京建物とバカンのプレスリリースはこちら)
このシステムは、バカンが展開するトイレ混雑抑制IoTサービス「AirKnock」を改良した「AirKnock Ads」というものです。
トイレ個室の壁面に、10インチのタブレット端末を設置するとともに、個室外にはトイレ待ちの行列を検知するセンサーを設置します。
個室内のタブレットには、個室の満室/空室情報のほか、自分が個室に入ってから何分経過したかの時間が表示されます。
トイレが満室であることが分かるので、その“プレッシャー”によってスマホやゲームなどでの長時間利用はしにくくなるというわけです。
バカンのウェブサイトによると、AirKnockを設置した都内のあるオフィスビルでは、30分以上、個室が利用される回数が64%も減ったそうです。こんなに長時間、個室を占拠している人もいるんですね。
そして、今回の改良型では、
個室内に広告を配信
する機能も加わったのです。
個室の利用が始まると、30秒程度の動画広告を何本か再生します。トイレが混雑している場合は、再生本数を制限して、先の混雑情報が表示され、自主的な退出を促します。
両社はこのシステムを、2020年秋ごろに日本で初めて商用化することを目指しています。
トイレの個室内は、これまで殺風景でしたが、広告の場として効果が高そうですね。
私の経験ですが、大阪のあるカプセルホテルのトイレ内に、便秘解消サプリの広告が張ってありました。そしてその商品をフロントで売っているという光景を目にしたことがあります。
今やデジタルサイネージの時代です。駅や公園などの公衆トイレもこれまで「コスト」でしたが、今後は広告媒体として収入源になっていくのかもしれません。そのおカネが、トイレの維持管理などに使えるようになると、「利用者よし」「広告主よし」「施設管理者よし」と、トイレの“三方よし”が実現できそうですね。