管理人のイエイリです。
最近、気候変動による線状降水帯やゲリラ豪雨などの影響で、各地の水害が激甚化しています。
そこで日本各地のダムでは、溜めた水を発電や農業・生活用水などに最大限に生かすとともに、適切に放流することで洪水を防ぐという、相反する水門操作が求められています。
これにともない、ダムの水門操作も高度な技術が求められるようになり、従来の長年の経験と勘、決断力(度胸)による「KKD」から、データと解析による「データドリブン」に変わりつつあります。AI(人工知能)で最適な運用を行うシステムも開発されています。(2022年11月4日の当ブログ参照)
こうしたダム管理者のニーズに応えて、ウェザーニューズ(本社:千葉県美浜区)は、法人用の気象情報サービスの1つとしてダム管理業務向け「ウェザーニュース for business」の提供を2023年6月29日に開始しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
全国約2700カ所のダム
ごとにカスタマイズした気象情報なのです。(ウェザーニューズのプレスリリースはこちら)
このサービスは、スマホやパソコンで「ウェザーニュース」アプリを開くだけで、指定したダム専用の気象情報を見られるものです。
あらかじめ設定した範囲の降雨量を平均した「流域平均雨量」や、雨の降りだしからの雨量を積算した「累加雨量」の予測を72時間先まで、1時間ごとに表示します。
予報のブレも考慮し、最大・最小の予測値も表示できます。
また、設定した雨量基準に応じて、降水リスクを”通常”、”注意”、”警戒”の3段階で表示し、リスクが変化したときはプッシュ通知が送られてきます。
パソコン版のウェブサイトからは、これらの予測値を、
Excel形式でダウンロード
できます。
データドリブンな水門操作システムの「入力データ」として、便利に活用できそうですね。
気になるお値段ですが、月額2万9400円(税別)からとのこと。2023年7月4日現在、2カ月間の無料トライアルも行っています。
ダムの特定地点で、実際の気象情報を見たいときは、同社が提供する高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」を使う方法があります。
2020年から法人向けに販売しているもので、現場に設置して電源を入れるだけで、気温・湿度・気圧・風向・風速・照度・紫外線・雨量の8要素を1分ごとに計測し、クラウドにアップしてくれます。
観測データはスマホやパソコンで専用ウェブサイトからリアルタイムに閲覧でき、過去のデータも「24時間雨量」や「最大風速」など、様々に加工してグラフや数値で表示するほか、APIによって他のシステムに取り込んで使うこともできます。
さらに1kmメッシュの細かさで、周辺の天気予報も確認できるので、施工計画などに便利に使えそうですね。