ウェザーニューズがダムごとに気象情報を提供! 2700カ所対応、データドリブンな水門操作の入力データに
2023年7月5日

管理人のイエイリです。

最近、気候変動による線状降水帯やゲリラ豪雨などの影響で、各地の水害が激甚化しています。

そこで日本各地のダムでは、溜めた水を発電や農業・生活用水などに最大限に生かすとともに、適切に放流することで洪水を防ぐという、相反する水門操作が求められています。

これにともない、ダムの水門操作も高度な技術が求められるようになり、従来の長年の経験と勘、決断力(度胸)による「KKD」から、データと解析による「データドリブン」に変わりつつあります。AI(人工知能)で最適な運用を行うシステムも開発されています。(2022年11月4日の当ブログ参照

こうしたダム管理者のニーズに応えて、ウェザーニューズ(本社:千葉県美浜区)は、法人用の気象情報サービスの1つとしてダム管理業務向け「ウェザーニュース for business」の提供を2023年6月29日に開始しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

全国約2700カ所のダム

ごとにカスタマイズした気象情報なのです。(ウェザーニューズのプレスリリースはこちら

ダムごとに時々刻々と送られてくる降水量予測などの気象情報。スマートフォンやパソコンでどこでも見られる(以下の資料、写真:ウェザーニューズ)

ダムごとに時々刻々と送られてくる降水量予測などの気象情報。スマートフォンやパソコンでどこでも見られる(以下の資料、写真:ウェザーニューズ)

パソコン版ウェブサイトで見た気象情報。72時間先まで、1時間ごとの「流域平均雨量」と「累加雨量」の予測を表示する。ダムごとのリスクに応じて通常(緑)、注意(オレンジ)、警戒(赤)の色分け表示がされる

パソコン版ウェブサイトで見た気象情報。72時間先まで、1時間ごとの「流域平均雨量」と「累加雨量」の予測を表示する。ダムごとのリスクに応じて通常(緑)、注意(オレンジ)、警戒(赤)の色分け表示がされる

このサービスは、スマホやパソコンで「ウェザーニュース」アプリを開くだけで、指定したダム専用の気象情報を見られるものです。

あらかじめ設定した範囲の降雨量を平均した「流域平均雨量」や、雨の降りだしからの雨量を積算した「累加雨量」の予測を72時間先まで、1時間ごとに表示します。

予報のブレも考慮し、最大・最小の予測値も表示できます。

また、設定した雨量基準に応じて、降水リスクを”通常”、”注意”、”警戒”の3段階で表示し、リスクが変化したときはプッシュ通知が送られてきます。

予測のブレを考慮し、最大~最小の値も表示できる

予測のブレを考慮し、最大~最小の値も表示できる

リスクが変化したときは、スマホにプッシュ通知が送られてくるので、即座に対応できる

リスクが変化したときは、スマホにプッシュ通知が送られてくるので、即座に対応できる

パソコン版のウェブサイトからは、これらの予測値を、

Excel形式でダウンロード

できます。

データドリブンな水門操作システムの「入力データ」として、便利に活用できそうですね。

気になるお値段ですが、月額2万9400円(税別)からとのこと。2023年7月4日現在、2カ月間の無料トライアルも行っています。

ダムの特定地点で、実際の気象情報を見たいときは、同社が提供する高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」を使う方法があります。

2020年から法人向けに販売しているもので、現場に設置して電源を入れるだけで、気温・湿度・気圧・風向・風速・照度・紫外線・雨量の8要素を1分ごとに計測し、クラウドにアップしてくれます。

高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」

高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」

スマホやパソコンで見た「ソラテナ」の観測データ

スマホやパソコンで見た「ソラテナ」の観測データ

観測データはスマホやパソコンで専用ウェブサイトからリアルタイムに閲覧でき、過去のデータも「24時間雨量」や「最大風速」など、様々に加工してグラフや数値で表示するほか、APIによって他のシステムに取り込んで使うこともできます。

さらに1kmメッシュの細かさで、周辺の天気予報も確認できるので、施工計画などに便利に使えそうですね。

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