管理人のイエイリです。
3Dプリンターで実物の建築物などを建設するとき、現在の主流は建物を分割し、それぞれのパーツに分けて製作する方法が主流です。
ところがベルギー企業のキャンプC(KAMP C)は、2階建て住宅を建設するとき、基礎から屋上までを
ナ、ナ、ナ、ナント、
3Dプリンターで丸ごと
建設してしまったのです。(KAMP Cのプレスリリースはこちら)
同社によると、こうした方法で建設された建物は世界で初めてとのことです。
住宅のサイズは高さ8m、床面積90平方メートルで、ヨーロッパ最大の3Dコンクリートプリンターで建設されました。
施工状況を記録した動画(タイトル:Eerste geprint huis in Europa op Kamp C – First printed house in Europe at Kamp C)が、YouTubeに公開されていますので、見てみましょう。
まずは基礎の施工です。一部を掘削して溝のようなものをプリントした後、捨てコンと思われるコンクリートの上に基礎らしい物が造形されていきます。
また、3Dプリンターの制御室と思われる部屋には多数のモニターがならび、現場の映像も中継されているようです。
1階部分を立ち上げると、床を張ってさらに2階部分を造形していきます。3Dプリンターの周囲は鋼板で覆われ、ちょっとした
工場のような感じ
になっています。
そして2階の造形が終わった後は、屋上版を張って、周囲にブロック状の部材を並べていきます。最後にその上にパラペットのようなものを造形して終了です。
この住宅には湾曲した壁や外側に傾いた「オーバーハング」の部分があるほか、床と天井は暖房装置が装備されているとのことです。また断熱性を高めるため「サーマルブリッジ」を完全になくすソリューションも導入されたそうです。
材料は従来の工法に比べて少なくて済み、省エネ性も高いという環境にやさしい建物でもあります。