管理人のイエイリです。
iPad Proで点群計測ができるプロノハーツのアプリ、「pronoPointsScan」が860円で発売されたというニュースを、2020年9月28日付けの当ブログ記事に掲載したところ、多くの反響がありました。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用で知られる建築設計事務所、アーキ・キューブ(本社:岐阜県岐阜市)の代表取締役、大石佳知氏は早速、このアプリを購入しました。
そして、iPad Pro4を使って自社の事務所や保育園のリノベーション工事現場を計測しました。
さらに、その点群データを
ナ、ナ、ナ、ナント、
RevitやRECAP PRO
などのBIMソフトにインポートし、使い勝手や精度などを確かめる実証実験を行ったのです。
その結果、計測範囲は5mより大きく、一応、10m先まで計測できたそうです。ただ、5mを超えると部分的に点群の取得ができないなどの不具合もありました。
スキャンをするときに、計測する位置を移動すると、各視点からの計測結果を自動的に統合し座標系を合わせてくれました。コツがいるものの、移動しながら計測することも可能です。
そして、保育園のリノベーション現場では、10カ所以上を連続して点群計測してみました。その結果、見事にすべての点群が合体し、座標統合性能は申し分なかったとのことです。
気になるのは、精度です。大石氏の身長は168cmなので、自分を計測した点群をRevitに読み込んで、バーチャルに“身長計測”を行ってみました。
その結果、
1678mm
と、ピッタリの数値が表示されたのです。これにはビックリですね。
点群がカラーで表示されるところは、わかりやすくてよかったとのこと。ただ、この点群をモデル化するところに工数が掛かるので、この作業をどう省力化できるかがポイントとのことでした。
小さな建築設計事務所で、これだけ点群を気軽に使いこなせるところは少ないかもしれません。なぜ、大石氏が気軽に点群を使いこなせたかというと、以前、小型の3Dレーザースキャナーを自社開発したことがあるからなのです。(詳しくは、2015年11月20日の当ブログ記事を参照)
iPad Proで計測した点群データは、結構、使えそうなことが分かりました。現場を手軽に記録するツールとして、今後、急速に普及するのは確実でしょう。