管理人のイエイリです。
建設業界でのDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進む中、建物の維持管理段階でBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用すれば、メンテナンスや修繕工事などがスムーズに行えると期待されています。
国土交通省が2020年7月に立ち上げた「インフラ分野のDX推進本部」でも、2023年度までにBIM/CIMを原則適用する目標を掲げました。
とはいうものの維持管理でのBIM活用は現在のところ、非常に限られているのが現状です。
このジレンマを解消しようと、世界最大のBIMコンテンツプラットフォーム「BIMobject Cloud」を運営するBIMobject Japan(本社:東京都新宿区)と、建設・土木の生産支援クラウド「Photoruction」を展開するフォトラクション(本社:東京都中央区)がコラボしました。
両社は2020年9月から、維持管理段階でのBIM活用について、
ナ、ナ、ナ、ナント、
共同研究を開始
することを発表したのです。(フォトラクションのプレスリリースはこちら)
共同研究の目的は、竣工時点での詳細な使用部材や設備などの情報を、メンテナンスや修繕計画に生かす方法を探ることです。
現段階で、維持管理段階でBIMソフトを使うには導入・運用のコストがかかりすぎ、また3Dモデルの利用が前提のため操作も複雑です。こうした事情が、維持管理におけるBIM導入の遅れの原因になっています。
これを解決するために編み出したワザが、設計・施工から維持管理まで建物ライフサイクル全体にわたって直感的に操作できる「Photoruction」と、実物の建材や設備の情報を豊富に持つ「BIMobject」が連携することにより、
BIMの「I」を2D図面
で使うという方法なのです。
つまりPhotoruction上の2D図面上に、BIMオブジェクトの属性情報をリンクさせることにより、竣工時点での図面情報に部材や設備情報をインプットし、設備点検や修繕工事の計画・実施に役立てるというわけです。
これだと、操作が難しい3Dモデルを扱うことなく、BIMモデルの属性情報を維持管理業務に生かし、生産性向上につなげることができそうですね。
BIMというとどうしても「3Dモデルをどう使うか」という発想になりがちですが、あえて3Dにこだわらない活用を目指す点が新しいですね。