管理人のイエイリです。
2020年10月、福島県田村市にトプコンオプトネクサスの新工場が完成しました。
設計・施工を担当した大和ハウス工業はもちろん、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使って設計したほか、発注者のトプコンとともに施工段階でも両社の先進技術を導入しました。
例えば、墨出し用の3D測量機器「杭ナビ」を使って効率的に杭の心出し作業を行ったり、3Dレーザースキャナーで計測した点群データをBIMモデルと比較して、出来形管理を行ったりという取り組みです。
そして驚くべきことに、屋内の床工事では
ナ、ナ、ナ、ナント、
3Dマシンコントロール
付きの建機で、“ICT土工”を行ったのです。
その結果、これまでになく高精度の床工事が実現できたそうです。
床コンクリートを打設した後の平たん性の確認には、3Dレーザースキャナーを活用しました。これは“ICT舗装”の出来形管理の手法ですね。
さらに基礎を掘削する「根切り工事」にも3Dマシンコントール付きのバックホーを使用しました。
トプコンはこれまで、国土交通省が土木分野で先行して推進してきた「i-Construction」への対応で施工技術やノウハウを蓄積してきましたが、それを建築工事にも適用した結果、省力化と生産性が大幅に向上したというわけですね。
この工事を経験を生かし、両社は2020年11月25日、建設現場の全工程をデジタルデータで一元管理する「デジタルコンストラクション」の実現と推進に向けて、基本合意書を締結しました。
その内容はまさに、
建設現場をデジタルツイン化
することにあります。(大和ハウス工業、トプコンのプレスリースはこちら)
BIMのバーチャルな世界と、建設現場のリアルな世界を、トプコンの測量機器やICT施工機器によって橋渡しし、デジタルツイン(デジタルの双子)化することで、設計と現場の管理を行っていこうというわけですね。
土木工事では、ICT土工がかなり普及してきましたが、建築工事ではこれからのようです。逆にプレハブ化やモジュラーコンストラクションのように建築で先行しているものの、土木ではまだこれからといった技術もあるでしょう。
ICTによって土木と建築の両分野の技術交流が進むと、生産性向上にも大きな効果が現れそうですね。
今回の大和ハウス工業とトプコンの協働は、その第一歩になるかもしれません。