ドローンで建設資材を運ぶ時代に! クリーク・アンド・リバー社らが実験重ねる
2020年12月24日

管理人のイエイリです。

山間部で行われる建設工事や林業、山小屋の経営などでは、30kgもの資材を背負って徒歩で現場に運ぶ「歩荷(ぼっか)」と呼ばれる荷揚げ作業が欠かせません。

山の急斜面での運搬作業は人への負担やリスクも大きいうえ、効率やコストの点でも課題がありました。

歩荷による荷揚げ風景(以下の写真:クリーク・アンド・リバー社)

そこで、クリーク・アンド・リバー社(本社:東京都港区)とサイトテック(本社:山梨県身延町)は、ここ半年ほどある実証実験を繰り返してきました。

その内容は、建設資材やワイヤーなどの林業資材、食料などを

ナ、ナ、ナ、ナント、

大型ドローンで運搬

する実験だったのです。(クリーク・アンド・リバー社のプレスリリースはこちら

足場材を吊り上げて離陸する大型ドローン

実験に使用したドローンは、サイトテックが独自に開発、販売している大型の機種です。

一つは6枚のプロペラを備え最大積載重量が30kgの「YOROI6S1750F」、もう一つは上下に12枚のプロペラを備え最大積載重量が140kgもある「KATANA12D1750F」です。

山梨県の企業らしく、武田信玄をほうふつとさせる「鎧(よろい)」と「刀(かたな)」というネーミングも、力強くていいですね。

最大積載重量が30kgの「YOROI6S1750F」

最大積載重量が140kgもある「KATANA12D1750F」

人間と比べると、ドローンの巨大さがわかります

建設資材の運搬実験は、2020年6月に山梨県南巨摩郡早川町で行われました。

これまで実物のヘリコプターで運搬していた長さ4mの単管パイプ2本(重量22kg)や足場板などの建設資材を往復1400mの区間、運びました。

ピストン輸送で3日で約1トンを運搬しました。人間だと30人以上の輸送量ですね。

6月に行われた建設資材の運搬実験

単管パイプを吊り上げて飛行する大型ドローン

ドローンから見た下界の風景

林業関係では5月に岐阜県郡上市で往復2kmの区間を自動飛行で苗木や林業資材を運搬する実験を行ったほか、11月には長野県北安曇郡池田町で木抗や滑車、ワイヤーなどの林業資材(最大20kg)を片道約300m、谷間をはさんで運びました。

林業現場での実験風景

また、9月上旬から1月下旬にかけては、長野県茅野市の八ヶ岳連峰で、

標高約2500mにある山小屋

に片道2km、高度差約640mの区間で米や酒、使用済みシーツやゴミなど、最大15kgの荷物を輸送しました。

高地にある山小屋への物資輸送実験

山間部を飛行するドローン

このほか10月には広島市安佐北区で医薬品(15kg)の目視外飛行による輸送や、11月には山梨県の本栖湖で水難事故を想定して20kgのブイなどを水上投下、8月には山梨県見延町で上空のガス濃度を測定する実験を行いました。

ドローンといえばこれまで、上空からの写真撮影やレーザー計測のような測量分野で使われてきました。

しかし、これだけ様々な業種で、大型ドローンによる運搬の実績ができてくると、人間が背負って運ぶ代わりに重量物を現場に運んだくれる“空中クレーン”としての活用も現実味を帯びてきました。

建設業の人手不足解消や働き方改革にも、今後、大きく寄与しそうです。

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