管理人のイエイリです。
国土交通省は昨日(2020年12月22日)、「Project “PLATEAU”」のティザー(事前公開)版サイトをオープンしました。
このプロジェクトは現実の都市を、仮想空間に3D都市モデルとして再現するものです。
このウェブサイトでは、プロジェクトの進捗(しんちょく)プロセスを継続的に発信するとともに、3D都市も出るなどのデータをオープンデータ化し、誰もが活用できるようにするとのこと。期待が高まりますね。(国土交通省のプレスリリースはこちら)
本格的なオープンは2021年4月ごろになる見込みですが、ティザー版サイトでは東京23区全域を網羅した3D都市モデルを先行公開しています。
いったい、どんな3Dモデルが公開されているのでしょうか。ウェブブラウザーで3D都市モデルを見られる「PLATEAU VIEW」のコーナーに行ってみました。
その壮大なスケールにビックリ! 東京23区が
ナ、ナ、ナ、ナント、
ビルの3Dモデル
で埋め尽くされているではありませんか。
あまりにもデータ量が多いため、必要な要素を選んで表示できるようになっており、「PLATEAU VIEW」を開くと、まずは地形の3Dモデルだけが表示されます。
そこで左側のメニューから区を選び、さらに表示したい建物モデル(テクスチャー付きとなし)を選ぶと、リアルなビルの3Dモデルがにょきにょきと立ち上がってきます。
主なビルの名前が知りたいときは、メニューから「ランドマーク」を選ぶと表示されます。
ビルには属性情報も入力されており、ビルをクリックすると高さや地上/地下の階数、建物面積などの情報を 見ることができます。
小さなビルのディテールもなかなかのものです。例えば看板や屋上の機器類などもかなりリアルに再現されていました。
さらに
ハザードマップの3D版
のように、防災に関する機能も付いています。
例えば、江東区の街並みに「荒川水系荒川浸水想定区域図」を重ねて見ると、浸水の深さによってビルが色分けされるので、浸水深の分布がよくわかります。
「Project “PLATEAU”」は現在、東京23区のデータが公開されていますが、今後、東京23区以外に55都市で同様の3D都市モデルを整備する予定です。
●3D都市モデルの構築対象都市一覧
北海道 札幌市、福島県 郡山市、福島県 いわき市、福島県 白河市、茨城県 鉾田市、栃木県 宇都宮市、群馬県 桐生市、群馬県 館林市、埼玉県 さいたま市、埼玉県 熊谷市、埼玉県 新座市、埼玉県 毛呂山町、千葉県 柏市、東京都 23区、東京都 東村山市、神奈川県 横浜市、神奈川県 川崎市、神奈川県 相模原市、神奈川県 横須賀市、神奈川県 箱根町、新潟県 新潟市、石川県 金沢市、石川県 加賀市、長野県 松本市、長野県 岡谷市、長野県 伊那市、長野県 茅野市、岐阜県 岐阜市、静岡県 沼津市、静岡県 掛川市、静岡県 菊川市、愛知県 名古屋市、愛知県 岡崎市、愛知県 津島市、愛知県 安城市、大阪府 大阪市、大阪府 豊中市、大阪府 池田市、大阪府 高槻市、大阪府 摂津市、大阪府 忠岡町、兵庫県 加古川市、鳥取県 鳥取市、広島県 呉市、広島県 福山市、愛媛県 松山市、福岡県 北九州市、福岡県 久留米市、福岡県 飯塚市、福岡県 宗像市、熊本県 熊本市 |
こうした精密な都市の3Dモデルは、まちづくりや景観、防災などのシミュレーションや、都市の「デジタルツイン(デジタルの双子)」として、様々な用途に使われることが期待されます。
そこで2021年1月16日と2月13日、「Project “PLATEAU”」を活用したオンラインイベント、「東京23区から新しい世界を創るアイデアソン・ハッカソン」(主催:国土交通省、運営:角川アスキー総合研究所)が開催されることになりました。
審査員には、あの“ちょまど”こと、ITエンジニア兼漫画家の千代田まどかさんも加わっていますので、話題を呼びそうです。
都市のデジタルツインを活用したまちづくりや都市の運営は、いったいどんなことが可能なのか、このイベントから生まれてくるアイデアに期待したいですね。