管理人のイエイリです。
空調や換気、照明などの設備設計は、部屋の大きさや形などを図面などから一つ一つ拾って計算し、その結果にあった空調機器や照明器具をカタログから選ぶ、という面倒な手順が必要でした。
そのため、工程が後になり、時間に余裕のない状況では、エネルギーやコストを最適化したくてもできないことが多いのが実情です。
そこで大林組は、設備設計をスピーディーに行うため、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と連携した空調設計支援システムの最新版、「BIMZONE-Σ-2020」を開発しました。
BIMモデルから熱負荷や必要換気量、照度・輝度などの計算書を作成し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
機器選定まで自動化
できるようにしたのです。(大林組のプレスリリースはこちら)
このシステムは、従来から使われてきた「BIMZONE-Σ」の機能を拡張し、エネルギー計算と概算コスト算定を効率的に行えるようにしたものです。
今回、追加された機能は上の図のうち、「BIM-MULTI」「BIM-VENT」「BIM-LIGHT」の部分です。
「BIM-MULTI」はゾーンごとに分けた熱負荷集計表を作成し、空調機器を選定します。選定した機器や配管経路が平面図上に自動的にレイアウトされるようになっています。
また、「BIM-VENT」は、BIMモデルから部屋の面積や天井高、用途に基づいて必要換気量を求め、機器選定を行います。さらに換気ゾーニングや換気経路を示した「エアバランス経路図」も作成します。
「BIM-LIGHT」は、BIMモデルから部屋の形状や面積、器具データから照度・輝度の計算を行い、器具を選定します。選定後は器具を図上に自動プロットし、リアルタイムに台数を決定できます。
メーカーが提供する器具検索エンジンをシステムに組み込んだので、最新の製品を簡単に検討できます。
このほかの機能としては、BIM-MULTIやBIM-LIGHTで選定した機器から空調機やダクト、冷媒配管、照明器具などの
工事費の概算コスト
を求めることもできるようになりました。
BIMモデルから、エネルギー量や概算コストをスピーディーに求められるため、短時間のうちに機器選定を繰り返して、エネルギーとコストを最適化した設計も行えるのです。
BIMソフトと製品データベースが連携することで、設計の品質と生産性を両方、向上させることができるわけですね。