管理人のイエイリです。
地盤改良や法面保護工など特殊土木分野を手がける富士建(本社:佐賀県佐賀市)の専務取締役を務める角和樹さんの趣味はロボット開発です。
中でも、2008年にロボット競技会に参加するために開発した等身大の二足歩行ロボット「はるみちゃん」は、“娘”として一緒に暮らしながら、機能改良を行いつつ、育てています。
はるみちゃんの名前は当時、ブレークしていたお笑い芸人のエドはるみさんにちなんで命名したそうです。
3代目のはるみちゃんは、身長150cm、体重20kgとだいぶ成長してきました。 そのため、一緒に出掛けるときは、飛行機のチケットを買って手荷物として座席に座らせたり、シートベルトを着けてタクシーに乗せたりと、人間同様です。
そんなはるみちゃんには特技があります。
ナ、ナ、ナ、ナント、
バックホーの運転
ができるのです。
それもそのはず、はるみちゃんはカーボンフレームで構成されており、バッテリー駆動でサーボモーターが58個も付いています。関節の自由度は首3、腕6、手指4、胴2、脚5と、人間のように細かな動作が行えるのです。
そのため、建機の運転以外も全身を使ったダイナミックなダンスやピアノの演奏、ペン習字、ペットボトルのふたを開けるなど、多彩な特技を持っています。
外装は軽量化のため、FRP(繊維強化プラスチック)ボディーとしました。外観や衣装が女性型なのは、スカートだと放熱性やメンテナンスがよいためです。また、胸も大きめですが、転倒時のクッションにするためと、あくまでも機能を追求した結果です。
はるみちゃんが建設機械を操作できることを確認した角さんは、両腕・両足のトルクを強化すれば現場で使えるロボットができると確信しました。
その結果、はるみちゃんの弟分である
ドカロボ君が誕生
したのです。
ドカロボ1号機、2号機は2014年から国土交通省次世代インフラロボット災害応急復旧のプロジェクトに参加し、現在は建機レンタル会社、カナモトと共同開発・改良を重ねて「カナロボ」として、建設業界で活躍しています。
角さんは今後、はるみちゃんにAI(人工知能)を実装して、自律行動しながら人のアシストができるように改良を進め、建設用ロボットとして成長させたい考えです。
先日(2020年12月15日)の当ブログ記事では、バックホーなどの運転を遠隔操作で行い、テレワーク化できるようになったという話をご紹介しました。
オペレーターの“リアルなアバター”として現場で建機に乗っているのが、はるみちゃんのような女性ロボだと、建機の運転も優しく、丁寧になるといった効果もありそうですね。