三菱電機が「AI配筋検査」をサブスク提供! ステレオカメラで検査時間は60%減
2021年2月9日

管理人のイエイリです。

人手不足が慢性化してきた今日このごろ、工事現場で鉄筋が設計通りの径や間隔、本数で配置されているかを確認する「配筋検査」に、多くの労力が割かれていることにお悩みの現場関係者も多いでしょう。

そんな方に朗報が来ました。2021年2月3日に、あの三菱電機が「AI配筋検査システム」のサービスを開始したのです。

配筋された鉄筋を、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ステレオカメラ付き端末

で撮影するだけで、鉄筋の本数や径、間隔を瞬時に自動計測してくれるのです。(三菱電機のプレスリリースはこちら

道路床版の配筋を「AI配筋検査システム」で計測しているところ(以下の写真、資料:三菱電機)

端末の画面には、瞬時に鉄筋径や間隔などが表示される

三菱電機エンジニアリングが開発した検査用のタブレット端末。大きさは幅318mm×高さ94mm×厚さ28.8で、重量は約2.1kg。IP65の防じん・防水性能を持つ

背面にはステレオカメラが付いている

このシステムは、三菱電機のAI(人工知能)技術「Maisart(マイサート)」を使用して開発されました。

天候や鉄筋の状態など、条件が異なる配筋画像を、AIに深層学習させることにより、撮影した画像から鉄筋の本数、径、間隔を自動計測することができます。

その性能は高く、鉄筋の検出率は100%、鉄筋径の判別可能範囲はD10~D51、そして鉄筋間隔の計測精度は±5mmと高精度な配筋検査が行えます。

そして、配筋検査も大幅に省力化できます。

これまでの配筋検査は、検査帳票を作成した後、3人がかりで計測や写真撮影を行い、事務所に戻ってから報告書を作成していたので、ざっと180分はかかっていました。

それが、このシステムを使用することで、現場での検索や写真撮影は1人ででき、しかも3倍のスピードで計測できるので、合計75分に短縮されます。

その結果、

時短効果は約60%減

になります。人工ベースだと5倍近くの生産性向上になる計算です。

「AI配筋検査システム」導入前(上)と導入後(下)の配筋検査時間の比較

配筋検査の結果は、クラウド上で検査帳票や報告書としてまとめられます。

このシステムは、国土交通省が令和2年度に実施した「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」(PRISM)の中で、三菱電機が鹿島建設、三菱電機エンジニアリング、建設システムの4社からなるコンソーシアムが導入しました。

気になるお値段ですが、端末込みの月額定額制の「サブスクリプション」方式で提供され、料金は個別見積もりとなります。

これからもずっと続く人手不足の対策には、無理して人を募集するよりも、このような「買って使えるAI」を人の代わりに働かせるという選択肢もありそうですね。

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