AIを図面積算の“助っ人”に! 野原ホールディングスが無料WEBサービスを開始
2021年4月1日

管理人のイエイリです。

建築分野の積算業務では、建物の2次元図面から面積などを地道に「手拾い」する作業がいまだに行われています。

例えば、下の図から面積表を作るときは、部屋の壁面に沿ってCADで丁寧にトレースし、面積を求めるという作業を繰り返すことになります。

積算作業は建材の発注にも影響する重要な作業ですが、手作業でやっている以上、ヒューマンエラーも起こりやすくなりますね。

建物の2次元図面の例(以下の資料:野原ホールディングス)

そこで野原ホールディングスのVDC(Virtual Design & Construction)カンパニーは、ZENTA(本社:東京都渋谷区)、Nexus FrontierTech(本社:英国ロンドン)とともに、この作業を自動化するWEBサービス「TEMOTO」のベータ版を2021年3月30日に無料で一般公開しました。

2次元図面のPDFデータをアップロードすると、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIが各部屋を自動認識

して、各部屋の内法面積などを自動的に拾ってくれるのです。(野原ホールディングスのプレスリリースはこちら

AIによって自動認識された各部屋

自動作成された面積表

使い方はまず、「TEMOTO」のサーバーにアクセスしPDF図面をアップロードします。

そしてAI(人工知能)に図面の縮尺を教えるため、寸法線の一つを選んで両端をクリックし、実数値を入力します。そして、AIに建物の範囲を教えるため、外壁を囲むようにクリックしていきます。

AIに縮尺や建物外周などをクリックして教える

建物の外周をクリックしたイメージ

するとAIが作業を開始して、部屋や壁、開口部の領域を認識し、各部の面積や長さなどを算出してくれます。

積算結果は約1時間でデータ化され、その結果が見られるURLがメールで送られてきます。

現在、認識できる図面は、一般住宅や集合住宅、ホテル、病院・福祉施設となっています。

図面の描き方や複雑さなどによっては、AIで解析できないこともあります。そんなときは、メールで「解析不可」という通知が来ます。

サービス名の「TEMOTO」は、漢字で書くと「手元(てもと)」のことで、建設業界では

職人を補助する人

という意味です。

つまり、AIを人間の“子分”として使うことで、人間が雑用から開放され、より付加価値の高い仕事に専念できるようにという願いが、このサービス名には込められているのです。

サービス名の「TEMOTO」には、AIに人間の仕事の下支えをしてもらおうという考え方が込められている

AIによって「人間の仕事が奪われる」という悲観的な考え方でなく、「人間の雑用を手伝ってもらう」と考えることで、AIが身近に感じられるようになりますね。

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