管理人のイエイリです。
竹中工務店では、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)や360°パノラマ写真などを活用し、建設プロセスをデジタル化する「竹中新生産システム」を展開しています。
その特徴の一つに、海外の優れたソフトやシステムを発掘し、自社流にカスタマイズして使うという手法があります。
例えば、2020年には360°写真による施工管理システム「HoloBuilder」というクラウドサービスを、開発元のホロビルダー社(本社:米国・サンフランシスコ市)と連携して、日本の現場用に機能開発を行ってきました。(詳細は、2020年4月10日付けの当ブログ記事を参照)
そしてこのほど、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ノルウェー企業が開発
したBIMクラウドプラットフォームを活用した技術開発を行うことになったのです。(竹中工務店のプレスリリースはこちら)
そのクラウドとは、Rendra AS(本社:ノルウェー・オスロ市)が開発した「StreamBIM」というもので、BIMモデルを中心にドキュメント管理やワークフロー管理を行えます。
パソコンやスマートフォン、タブレットなどさまざまな機器でBIMモデルを見ることができ、2D図面などさまざまな情報のドキュメント管理が行えます。
竹中工務店では、すでに50を超える現場でこのシステムを活用しており、設計・施工から維持管理までのプロセスを可視化し、すべての関係者のコミュニケーションを円滑にすることを目指しています。
竹中工務店とRendra ASは、「StreamBIM」と他のシステムとの連携を強化する技術開発を進めていきます。
まずは、BIMモデルの干渉チェックなどを行う「Solibri」と、BIMの共通データ規格「IFC」にコメントやスクリーンショットを追加する「BCF」によるコラボレーション機能を向上させ、さまざまな機器で迅速に課題解決が行えるようにします。
さらにノルウェー発祥の企業、dRofus社が開発したBIMデータ管理ソリューション「dRofus」との連携により、建物の
ライフサイクル全体
を通じて、建物の情報にアクセスできるようにします。そして前述のHoloBuilderなど、各種ソリューションとの連携を進め、BIMモデルに関連したデータ活用の幅を広げていきます。
これらのデータ連携では、情報マネジメントの国際規格「ISO19650-1」や「ISO19650-2」で定義された共通データ環境(CDE:Common Data Environment)を踏まえて開発し、建設業界全体で活用されるデータの「エコシステム」構築に協力していくとのことです。
竹中工務店のこれらの取り組みは、BIM活用の重点が「作る」ことから、幅広く「使う」ことにシフトしてきたことを象徴していると言えそうです。