管理人のイエイリです。
建築現場で活躍するタワークレーンの運転士は、現場に出勤した後も、最大50mの高さになる運転席まではしごを使って上り下りしなければなりません。想像しただけでも、大変そうですね。
ところがこのほど、東京都内で施工中のある建築工事では、タワークレーンの運転士が
ナ、ナ、ナ、ナント、
“地上勤務”
を命じられたのです。(竹中工務店、鹿島建設のプレスリリースはこちら)
運転士の新しい職場は、地上に設置されたプレハブ建物です。その中には、「簡易コックピット」があり、クレーンを操作するためのレバーやフットスイッチが設けられています。
運転士はクレーンの運転席から送られてくる複数台のカメラ映像や、荷重などの動作信号、異常信号を表示する各種モニターを見ながら、現場クレーンをここから遠隔操作するわけです。
この遠隔操作システムは「TawaRemo」というもので、竹中工務店と鹿島建設、アクティオ、カナモトが共同開発しました。
4社は2019年9月から実機での検証を開始し、2020年1月には通常の積み込み、積み下ろし作業を遠隔操作で問題なく行えるようになりました。
そして、2020年6月には、大阪に設置した専用コックピットから、名古屋の現場にある大型タワークレーンの遠隔操作に成功したことも発表したのです。(詳しくは、2020年6月17日付けの当ブログ記事を参照)
つまり今回、運転士が地上勤務になったということは、
テレワークへの第一歩
として、現場での上下移動がなくなる働き方改革が実現したわけですね。
このシステムは2021年8月には大阪市内で施工中の建築現場にも導入し、効果を検証します。さらに、清水建設も加えた3社体制で実工事への普及・展開を加速していきます。
そして、いろいろな現場で稼働するタワークレーン遠隔操作を集約して行う拠点を構築するため、官庁などとの協議も進めていくとのことです。
きっと、そのうち、クレーン運転士は住んでいる場所に関係なく、全国各地のいろいろな現場で働けるようになるに違いありませんね。