管理人のイエイリです。
最近のビルの外装材には欠かせないカーテンウォールですが、その取り付け作業はかなりの手間ひまとスペースを取っていました。
例えば、ある階にカーテンウォールを取り付ける場合、その1階上に資材を置いておき、さらに1階上に設置した小型クレーンで吊り下げるといった具合でした。
この作業の生産性と安全性を向上させるため、竹中工務店はカナモト(本社:北海道)、レンタルのニッケン(本社:東京都千代田区)は「カーテンウォーカーEV」というマシンを共同開発しました。
カーテンウォール部材をクレーンで吊り下げるのではなく、
ナ、ナ、ナ、ナント、
吸盤で吸い付け
て、取り付け作業が行えるのです。(竹中工務店のプレスリリースはこちら)
「EV」とは、象(Elephant)の鼻のような形をしたアームと、真空(Vacuum)で吸い付ける吸盤から命名したそうです。
このマシンが開発されたことにより、カーテンウォールの取り付け作業は1つの階のフロアで完結できるようになりました。
また、従来のようにタワークレーンや小型移動式クレーンを使わないので作業時間の制約が少なく、外周養生ネットの撤去範囲も1階分だけで済むようになりました。
竹中工務店はこのマシンを大阪市内の現場で使った結果、小型クレーンを使った場合に比べて、取り付け枚数は25%増となり、
作業員数は35%減
になったそうです。
一人当たりの生産性に換算すると、1.25÷0.65=1.92倍と、ほぼ2倍になる計算ですね。
このマシンは今後も改良を重ねて、2021年10月をめどにカナモトとレンタルのニッケンからレンタルが開始される予定です。
現在はマニュアル操作を前提としているマシンですが、将来、位置決めや外装材の固定方法などが自動化されると、ロボットとして進化することも夢ではなさそうです