MRで工事現場の騒音源を特定! 飛島建設と早稲田大学が共同開発
2021年7月19日

管理人のイエイリです。

様々な重機や工具が稼働する工事現場で大きな騒音が聞こえたとき、どこが原因なのかを探すのは大変です。

音が聞こえてくる方向だけでなく、奥行きもわからないと、改善すべき建機や工具がどこにあるのかがわからないからです。

多数の建機が稼働する工事現場。どの建機から大きな騒音が出ているのかを突き止めるのは簡単ではない(特記以外の写真、資料:飛島建設)

そこで飛島建設早稲田大学基幹理工学部表現工学科の及川靖広教授INSPIREIアドバイザー)は共同で、リアルタイムで音響を可視化システム「OTOMIRU」を開発しました。

空間内での騒音のリアルタイムな分布を、光学透過型ヘッドマウントディスプレー(HMD)によって実空間上に重ね合わせて表示することで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

奥行き方向の騒音発生源

の位置が把握しやすくなるのです。(飛島建設のプレスリリースはこちら

騒音可視化後のイメージ。ラフトレーンクレーンのエンジン音が大きな騒音を発生していたことが判明

騒音の3次元分布を分析するために使用するのは、「マイクロホンアレイ」です。

縦横に配置した16組のマイクロホンで騒音をキャッチし、その音を「ビームフォーミング」という音の可視化手法で処理し、任意断面の音圧分布を算出します。

その結果を、光学透過型HMDに転送することで、実空間上に音圧レベルのカラーマップを重ねて投影します。

16組のマイクロホンを縦横に配置した「マイクロホンアレイ」で騒音分布を計測する

システム構成

騒音分布は複数のHMDでリアルタイムに見られるので、複数人で音の評価や対策について話し合うことができます。

また、実空間上に投影された音圧レベルのカラーマップは、ユーザーが移動しても元の位置に固定されるので、場所や角度を変えて騒音を見ることが可能です。

騒音計測の開始や停止、測定パラメーター変更などは、パソコンを操作することなく、HMDで表示する設定パネルによって行えます。

操作はHMDで表示する設定パネルから行える

このシステムはマイクロホンアレイを設置するだけで騒音の分布が可視化できるので、

迅速な騒音対策の立案

と効果の検証が可能になります。

用途としては、複数の重機が稼働する現場で騒音源を探すほか、建築物の遮音性能が悪い部分を探す、騒音発生私鉄の音漏れ部分を探す、騒音対策の効果を検証するなどがあります。

現在は3次元空間内のある断面で騒音を表示していますが、今後、3次元的な音の伝播をリアルタイムに計測し、実空間上に3Dで投影する技術開発も進めていく予定です。

「OTOMIRU」の進化によってこれが実現できると、光学透過型HMDは人間に騒音を見るという新たな能力を与える“超人化ツール”として、ますます現場に欠かせなくなりそうですね。

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