SNS投稿写真から浸水エリアを推定! スペクティが佐賀、福井、島根、神奈川で実証
2021年8月18日

管理人のイエイリです。

今年(2021年)の夏は、台風や線状降水帯などによって各地で大雨が降り、浸水の被害も続出しています。

そんな中、防災ベンチャーのSpectee(スペクティ)(本社:東京都千代田区)が開発中の浸水被害シミュレーション技術が注目を集めています。

例えば、下の図は2021年8月14日の10時ごろ、佐賀県武雄市を流れる六角川周辺の浸水範囲や浸水深をリアルタイムに推定した図です。

2021年8月14日10時ごろの佐賀県武雄市の六角川周辺における浸水推定図(以下の資料:Spectee)

この図を作るためには、いろいろな場所に水位計などを設置していたのかと思いきや、

ナ、ナ、ナ、ナント、

SNS上の1枚の投稿写真

を手がかりに作ったのです。(スペクティのプレスリリースはこちら

河川の氾濫が発生し、SNSに写真がアップされてから10分以内に、浸水範囲と浸水深を割り出し、2Dや3Dの地図上に表示することができます。

SNSに投稿された写真と降水量や地形データをAIで解析し、10分以内に浸水推定図を作れる

その秘密は、同社が開発中のAI(人工知能)と連動したデジタルツイン技術にあります。

SNSに投稿された写真や河川カメラ、道路カメラ、ドローンによる空撮写真と、降水量や地形データなどを組み合わせて統合的に解析することで、こうしたリアルタイム推定が可能になりました。

その技術は、今年、各地で起こった水害でも早速、活用されています。

例えば7月29日の福井県志津川や九頭竜川周辺の浸水推定図、7月12日の島根県出雲市周辺の浸水や、7月10日の鹿児島県薩摩川内市内の浸水、7月3日の神奈川県平塚市周辺の浸水などです。

7月29日の福井県志津川や九頭竜川周辺の浸水推定図

7月12日の島根県出雲市周辺のリアルタイム浸水推定図

7月10日の鹿児島県薩摩川内市内のリアルタイム浸水推定図

7月3日の神奈川県平塚市周辺のリアルタイム浸水推定図

昨年(2020年)7月豪雨時の熊本県球磨川周辺のリアルタイム浸水推定図

同社ではこの技術の開発と並行して精度の検証も行っています。

このほか、スペクティでは「Spectee Pro」というAI防災・危機管理情報ソリューションを提供しており、SNSの投稿や気象、停電、交通状況など

100以上のカテゴリー

で、災害・緊急情報をリアルタイムに配信しています。

AI防災・危機管理情報ソリューション「Spectee Pro」の画面

こちらもSNSの情報やライブカメラなどの情報をAI解析や人間の目で監視することで、正確な情報提供を行っているとのことです。

これまでの災害では、被害状況の把握に時間がかかり、対策が後手後手に回ることがよくありましたが、「浸水なう」といったリアルタイムなSNS情報をAIでスピーディーに解析することで、その時間を圧倒的に短縮することが可能になりました。

そこで生まれた余裕時間を、避難や浸水対策などに有効活用できるようになることを願っています。

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