管理人のイエイリです。
VR(バーチャルリアリティー)やMR(複合現実)システムを開発するSynamon(本社:東京都品川区)と、建設業向け研修などを手がけるハタ コンサルタント(本社:名古屋市中村区)は、足場や鉄筋、型枠などからなるボックスカルバート施工現場のVR空間を作りました。
一見、地味な感じVRですが、何のために作られたのかというと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
安全パトロール
の実地研修を行うためのバーチャル施設だったのです。(Synamonのプレスリリースはこちら)
講師や研修生はVRゴーグルを着けて、VR空間に集合し、実物大の足場や型枠などを見ながら、講師の説明を聞きます。まるで実際の現場に行っているかのような、臨場感の中で学べるのがポイントです。
もちろん参加者は1カ所に集まる必要はなく、全国各地からオンライン会議のイメージで参加できます。
この現場には、数々の“不安全箇所”が隠されており、研修生はコンベックスなどで支保工の幅や桁ゆきの寸法を測ったり、不安全箇所の写真を撮ったりしながら、問題箇所を指摘していきます。
座学だと知識を詰め込むだけなので、退屈になりがちですが、「クイズ」のように隠れた問題点を自分で探していくスタイルだと、研修にもついついのめ込み、知識も現場の状況と合わせてアタマに入っていきそうですね。
細かいところでは、
足場のフックが外れている
箇所もあったりするので、研修生も現場全体に目が行き届くようになります。
実際の現場研修するのは準備の時間や費用がかかりますし、わざと不安全箇所を作ったりすると現場が危険になります。
日ごろ、あまり目にすることのない危険なシチュエーションをVR空間上に再現することで、繰り返し学習ができるのも、VRのメリットですね。
これまでもVRを使った安全教育はありましたが、この「施工管理者向けVR安全パトロール研修」は、VRにクラウドを組み合わせたことで、さらに進化しました。
リアルなVRによって研修効果を高めたり研修のための「準備のムダ」をなくしたりするだけでなく、クラウドによって「移動のムダ」もなくなります。安全教育分野での生産性向上を実現するシステムと言えるでしょう。