管理人のイエイリです。
福井コンピュータアーキテクトは、同社のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトの最新版「GLOOBE 2022」シリーズを2022年2月16日に発売することになり、昨日(2022年1月25日)にライブイベントを開催しました。
「GLOOBE 2022」は、設計BIM用の「GLOOBE Architect」と、施工BIM用の「GLOOBE Construction」からなっています。
今回のバージョンアップの“目玉”は、なんと言っても施工BIM用の「GLOOBE Construction」で、BIMモデルと工程表、数量表が連動し、工程をデジタルツイン(デジタルの双子)化したことにあります。(バージョンアップの詳細は、2021年11月15日付けの当ブログ記事を参照)
昨日のイベントで披露されたデモンストレーションで、この工程表がかなり本格的な機能をもっていることが明らかになりました。
重機の投入台数など「リソース」の数値を変えると
ナ、ナ、ナ、ナント、
工程も自動修正
される機能をもっていたのです。
工期が厳しいとき、どの工程で重機や作業員などのリソース投入を増やせば、進捗速度を上げられるかなどを検討するのに便利そうですね。
また、数量計算機能は、工区分けや材料の種別など、様々な切り口で集計可能になっており、生コンクリートなどの発注にも便利に使えそうです。
このほか、特徴的だったのは測量機器やICT建機との連携です。BIMモデルから任意座標を取り出して、杭芯などの墨出しに使ったり、基礎の図面から掘削用3Dモデルを作成し、LandXML形式のデータに出力してICT建機のマシンコントロールに使ったりする、実践的な機能が搭載されました。
急に土木っぽい機能が充実した秘密は、2021年7月に、福井コンピュータアーキテクトが
鴻池組と戦略的パートナー
シップを締結し、現場での生産性向上や働き方改革の実現に役立つ製品開発を共同で行っているからなのです。(福井コンピュータアーキテクトのプレスリリースはこちら)
BIMモデルと工程表が連動することで、視覚的にも時間的にも、工程の問題点が分かりやすくなり、プロジェクトのメンバー間でも意思疎通がしやすくなります。
これからのBIMは、着工から完成までの工程表とともに、“4Dデジタルツイン”として限りあるリソースを効果的に使いながら、最短の工程を目指すという使い方に進化していきそうですね。
その過程で、各工程を短縮するための新工法やロボット、材料などの導入も検討され、「建設DX」への道が開いてくることでしょう。