管理人のイエイリです。
太陽光発電パネルの取り付けで、特に重要なのがボルトを適正なトルクで締め付ける作業です。
そのため、太陽光パネルを取り付ける架台などのボルト締め作業では、仮固定→本締め→目視確認→ボルト1本ずつにマーキング、といった作業や、社内資格を持った検査員による検査を行うため、同じ場所を何度も回りながら施工してきました。
このボルト締め作業に付きものの「何度も回るムダ」を削減しようと、旭化成ホームズ(本社:東京都千代田区)は旭化成(本社:東京都千代田区)は、誰でも一発で、適切なトルクでボルトを締め付けられるボルト管理システムを開発しました。
ボルトが適正に締め付けられていることを確認するため、利用した方法は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
超音波による判定
だったのです。(旭化成ホームズのプレスリリースはこちら)
今回は独自の判定システムを組み込んだインパクトレンチを開発しました。
ボルトを締める際に発生する超音波を、レンチに内蔵したシステムが判定し、適正な締め付け音に達した時点でレンチが自動停止する仕組みです。
そして、適正にボルト締めしたことをエビデンス(証拠)として残すために、「AI音声対話アプリ」も導入しました。
例えば、架台の1列分のボルト締めが完了した時点で、マイクに「締め付け完了」と話しかけると、音声認識アプリとの会話が始まり、「どの部分で何カ所のボルトを締めたか」などを聞いてきます。
これに答えることで、「いつ・誰が・どこのボルトを締めたか」といった情報が自動的にクラウドにアップされます。
そして、ボルト締め付け時にインパクトレンチから自動的にアップされた「適正に締められたボルトの本数記録」と、会話時にアップされた「締められたボルト箇所の記録」がエビデンスとして残るのです。
このシステムの導入効果は絶大です。まずは、誰でも適正なトルクでの締め付けができるので、熟練の建設技能者不足に対応できるうえ、検査員による検査も不要になります。
そして、必要な部材を据え付けながら
一筆書きで施工
できるので、以前のように同じエリアを何度も回りながら作業する必要がなくなり、生産性が上がります。
旭化成ホームズは、このシステムを2022年4月から半年間の試験運用を行い、その後、一部の施工エリアで本格運用開始を目指しています。
建設現場では、作業時の音は様々なことを判断するのに重要な情報ですが、さすがに超音波となると人間の耳では聞こえないので活用できませんでした。
その点このシステムは、人間の代わりに超音波を聞いて判断してくれるので、人間を“超人化”してくれるものと言えるでしょう。