清水建設がローカル5GとAIで夜間作業の安全管理! 新名神・梶原トンネル現場で
2022年6月14日

管理人のイエイリです。

大阪府高槻市内に建設される新名神高速道路 梶原トンネルの東側出口は、既存の名神高速道路4本と直交する高架橋が建設されます。

同トンネルや橋台・橋脚の施工を担当する清水建設は、名神高速道路の上空に夜間作業で仮設桟橋を架設しています。

供用中の名神高速道路の上空に架設される仮設桟橋の完成予想図(以下の資料、写真:清水建設)

供用中の名神高速道路の上空に架設される仮設桟橋の完成予想図(以下の資料、写真:清水建設)

上は桟橋、下は供用中道路という広い現場で、しかも夜間作業という困難な現場の安全管理をスムーズ行うため、清水建設は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

8K映像をAI解析

するという方法を実証実験したのです。(清水建設のプレスリリースはこちら

8Kの超高精細映像をAIで解析し、夜間作業での建機や作業員の位置や動きをマーキングしたところ

8Kの超高精細映像をAIで解析し、夜間作業での建機や作業員の位置や動きをマーキングしたところ

任意の場所を拡大表示できる。建機と作業員が接近すると、警告が表示される

任意の場所を拡大表示できる。建機と作業員が接近すると、警告が表示される

夜間の現場は見えにくいため、建機や作業員の位置や動きが見えにくくなります。そこで超高精細な8Kカメラ映像をAI(人工知能)で解析し、建機や作業員を自動的にマーキングすることで、安全管理者が発見しやすくしました。

このライブ映像は、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのWebブラウザーで、どこでも見られ、遠隔地からでも現場状況を詳細に把握できます。

この安全管理を実現するためには、8Kカメラで取得した重たい映像を現場のサーバールームまで伝送する必要があります。

そこで導入されたのが、

ローカル5G回線

を利用した「超高精細映像転送システム」です。

ローカル5Gとは、高速大容量・低遅延・多数同時接続という特長を持った「第5世代移動通信システム」を、現場内などで独自に構築できる自営無線システムです。

8Kカメラで取得した映像をローカル5G回線で現場事務所に送ることで、クラウド上のAIシステムでリアルタイムに映像を解析し、その結果をLANやWi-Fiでユーザーに送るということを、瞬間的に行えるようにしたのです。

実証実験で構築したシステム

実証実験で構築したシステム

この取り組みは、総務省が公募した「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の一環として実施したもので、清水建設と西日本高速道路シャープの3社で行いました。

実証期間後に工事関係者を対象に行ったアンケート調査では、夜間の作業領域が認識しやすくなったと91%が回答し、任意の場所を拡大表示する機能について96%が有効であると回答しました。

清水建設は今後、検出精度の向上や作業者へのアラート周知方法などの機能改善を行う方針です。

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