管理人のイエイリです。
大阪府高槻市内に建設される新名神高速道路 梶原トンネルの東側出口は、既存の名神高速道路4本と直交する高架橋が建設されます。
同トンネルや橋台・橋脚の施工を担当する清水建設は、名神高速道路の上空に夜間作業で仮設桟橋を架設しています。
上は桟橋、下は供用中道路という広い現場で、しかも夜間作業という困難な現場の安全管理をスムーズ行うため、清水建設は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
8K映像をAI解析
するという方法を実証実験したのです。(清水建設のプレスリリースはこちら)
夜間の現場は見えにくいため、建機や作業員の位置や動きが見えにくくなります。そこで超高精細な8Kカメラ映像をAI(人工知能)で解析し、建機や作業員を自動的にマーキングすることで、安全管理者が発見しやすくしました。
このライブ映像は、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのWebブラウザーで、どこでも見られ、遠隔地からでも現場状況を詳細に把握できます。
この安全管理を実現するためには、8Kカメラで取得した重たい映像を現場のサーバールームまで伝送する必要があります。
そこで導入されたのが、
ローカル5G回線
を利用した「超高精細映像転送システム」です。
ローカル5Gとは、高速大容量・低遅延・多数同時接続という特長を持った「第5世代移動通信システム」を、現場内などで独自に構築できる自営無線システムです。
8Kカメラで取得した映像をローカル5G回線で現場事務所に送ることで、クラウド上のAIシステムでリアルタイムに映像を解析し、その結果をLANやWi-Fiでユーザーに送るということを、瞬間的に行えるようにしたのです。
この取り組みは、総務省が公募した「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の一環として実施したもので、清水建設と西日本高速道路、シャープの3社で行いました。
実証期間後に工事関係者を対象に行ったアンケート調査では、夜間の作業領域が認識しやすくなったと91%が回答し、任意の場所を拡大表示する機能について96%が有効であると回答しました。
清水建設は今後、検出精度の向上や作業者へのアラート周知方法などの機能改善を行う方針です。