建ロボテックが現場用に超小型“トロッコ列車”を開発! 手持ち可能な機関車で500kgを運ぶ
2022年11月17日

管理人のイエイリです。

現場内でクルマやクレーンが入れない不整地や配筋の上などの場所で、重い建設資材を運ぶとき、いまだに職人の手による重労働の運搬作業が当たり前のように行われています。

例えば、1日にのべ2tの鉄筋を肩に担いで4kmを歩いて運んだり、1回に100km以上のコンクリートブロックを台車に積んで運んだりといった具合です。

人手不足が深刻化する今後、貴重な職人の力を、こうした単純な重労働から解放しようと、建ロボテック(本社:香川県三木町)は、新製品として「運搬トモロボ」を開発しました。

現場内で重い建設資材を運ぶために開発された「運搬トモロボ」(以下の写真、資料:建ロボテック)

現場内で重い建設資材を運ぶために開発された「運搬トモロボ」(以下の写真、資料:建ロボテック)

前後の機関車で台車をけん引する超小型“トロッコ列車”といった感じですが、最大500kgもの資材を運搬できます。

そのパワーの秘密は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

レールに鉄筋を使用

しているからなのです。(建ロボテックのプレスリリースはこちら

異形棒鋼をトラス状に組み立てて作られたレール

異形棒鋼をトラス状に組み立てて作られたレール

運搬トモロボが走行する仮設レールは、異形棒鋼をトラス状に組み立てたもの約4m長のユニットになっています。

これを現場内の不整地や配筋の上に並べてつなぐだけで、簡単に線路を設置できます。今後、曲線レールなどが登場すれば、「プラレール」のように線路を考えたり作ったりする作業も楽しくなりそうですね。

レール面がごつごつしているため摩擦係数も大きく、機関車自重の10倍以上の資材を運べるほか、登坂能力も10%と優れています。

台車は今後、用途や資材に合わせて開発しますが、鉄筋やブロックのほか、セメント袋やミキサー機、木材、鉄骨など様々な用途や資材に合わせてカスタマイズます。

台車の例。今後、様々な資材や用途に応じてカスタマイズできる

台車の例。今後、様々な資材や用途に応じてカスタマイズできる

機関車にはパンパ―センサーや接触センサーが搭載されており、人や障害物に触れたときは非常停止します。運転中は警告ブザーやパトライトで周囲に注意をうながします。

電源にはリン酸鉄リチウムバッテリーを使用しており、充電時間は6時間。停止時間を踏めて約8時間稼働できます。そのため、一般的な作業時間では夜、充電しておけば翌朝から夕方まで無充電で使うことが可能です。

機関車の外形は、幅600mm×長さ670mm(センサー除く)×高さ380mm(パトライト含む)と小型で、1台の重さは25kg以下です。

そのため、

足場上を大人1人で

手運びしたり、軽乗用車のトランクで運んだりと、運搬も簡単です。

手運びや軽乗用車で簡単に運べる機関車

手運びや軽乗用車で簡単に運べる機関車

この運搬トモロボは本日(2022年11月17日)、東京・池袋のサンシャインシティ展示ホールで開催中の「建設技術展2022関東」に出展されていますので、ご興味のある方は見に行かれてはいかがでしょうか。

建ロボテックは、「世界一ひとにやさしい現場を創る」ことを目指して、これまで工事現場で手軽に使える鉄筋結束用の「トモロボ」や、工場などの金属屋根をカシメる「シーミングK2」ロボットを開発してきました。

縦横の鉄筋交差部を自動的に結束する「トモロボ」

縦横の鉄筋交差部を自動的に結束する「トモロボ」

金属屋根の接合部をカシメる「シーミングK2」

金属屋根の接合部をカシメる「シーミングK2」

今回開発された「運搬トモロボ」が現場に次々と鉄筋を運び込み、「トモロボ」が結束していく、といった連携プレーもそのうち見られそうですね。

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