管理人のイエイリです。
大林組はBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の草創期から、建築、構造、設備など様々なBIMオブジェクトを整備し、設計図書を作成するためのテンプレート開発や、効率的に業務を行えるようにするために、BIMソフト「Revit」による社内基準作りを行ってきました。
2019年には、BIMオブジェクトの整備を加速するため、丸紅アークログとアライアンスを締結し、同社のBIMオブジェクトプラットフォーム「Arch-LOG」を活用しながら、様々なプロジェクトを行ってきました。(2019年10月17日の当ブログ参照)
こうしたBIM活用ノウハウの結晶とも言えるのが、大林組のBIMモデリングルール「Smart BIM Standard(以下、SBS)」です。開発までに、相当な人工(にんく)やコストがかかっていることは、想像にかたくありません。
大林組は、その貴重なノウハウとデータの塊である「SBS」を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ウェブサイトで無料公開
してしまったのです。(大林組のプレスリリースはこちら)
SBSのウェブサイト(https://smartbimstandard.com/)では、SBSのコンセプトなどを説明する「一般公開ページ」と、Arch-LOGサービスを利用した「ダウンロードページ」で構成されています。
ダウンロードページでは、「BIM Modeling Guide」やファミリなどの「命名規則」などのマニュアルのほか、建材のファミリやテンプレートもアップされており、無料で利用できます。
大林組のBIM活用で培われたノウハウが集約されているだけあって、「接頭語」「接尾語」などによるファミリなどの分かりやすい名前の付け方などが参考になります。
私として、興味があったのは、BIMモデルを構成する各要素を、「カテゴリ」「ファミリ」「タイプ」といった
階層構造を使った分類
の方法でした。
例えば、ファミリを「製作もの」や「規格もの」のように製造方法で分けたり、タイプに対しては「鋼製」「アルミ製」といった素材の分類で命名したりする方法は、BIMモデルで扱う様々な部材を効率的に分類するのに、参考になりそうです。
大林組がSBSという貴重なノウハウを公開した目的は、BIMモデルを標準化することで、企業間の壁を越えた BIM の一貫利用を行い、生産性向上を実現するためです。
これらのデータ公開は、1年間の期間限定で予定しています。この機会に、大林組のBIM活用ノウハウをじっくり研究し、役立ちそうな部分は自社に導入するというのもよさそうですね。