管理人のイエイリです。
これまでメジャーテープやスケールによって、人力で計測・記録するのが常識だった配筋検査を、IT(情報技術)ツールで効率化する取り組みが進んでいます。
DataLabs(本社:東京都中央区)も、2023年4月10日にiPhoneやiPadを使って、配筋検査を自動化する「Modely(モデリー)」の製品版を発売することになりました。
上の写真は、Modelyで配筋検査を行っている風景ですが、配筋の写真を撮っているのかと思いきや、
ナ、ナ、ナ、ナント、
LiDARで点群計測
を行っているところなのです。(DataLabsのプレスリリースはこちら)
LiDARとは、iPhoneやiPadの上位機種に搭載された3Dスキャン装置で、5m程度離れたものまで点群計測することができます。
この点群をクラウドにアップロードし、検査範囲を画面上でクリックしていすると、その範囲内の配筋を検出して3Dモデルを自動作成します。
その3Dモデルから、鉄筋径や鉄筋ピッチなどを計測して設計値と比較し、配筋検査帳票を自動作成してくれるのです。
配筋を3Dモデル化することで、円形配筋や円形フープ筋の検査にも対応できるほか、コンクリートの「かぶり厚」も計測できます。
精度については、試行要領(案)に基づいて139のサンプルデータを取得して検証したところ、鉄筋間隔やかぶり厚の計測結果はすべて、
±鉄筋径以内
に収まり、鉄筋間隔の最大誤差は鉄筋径の30%以内、かぶり圧の最大誤差は鉄筋径の60%以内に収まりました。
このシステムは2022年6月に改定された国土交通省の「デジタルデータを活⽤した鉄筋出来形計測の試行要領(案)」に準拠した「新技術」として、承認されました。(詳しくは国土交通省の「現場ニーズと技術シーズのマッチング」ウェブサイトで)
このシステムを使うと従来、複数の担当者で行っていた配筋検査を、現場計測から帳票作成まで1人だけで行えます。
また、点群データや作成した3Dモデル、帳票は、クラウド上で受発注者間で共有し、任意の箇所にコメントや写真を付けてチャット感覚のコミュニケーションも行えます。そのため、発注者の現場立会にかかる時間やコストを大幅に削減できます。
気になるお値段ですが、基本月額料金が1アカウント当たり8万8000円(税込み)で、最小契約期間は3カ月となっています。
DataLabsでは、Modelyの製品版リリースに伴い、2023年4月24日(月)を皮切りに5回ほどのウェビナー開催を予定しています。ご興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。