iPhone点群で配筋検査を自動化! 円形配筋にも対応できるDataLabsの「Modely」がリリース
2023年4月7日

管理人のイエイリです。

これまでメジャーテープやスケールによって、人力で計測・記録するのが常識だった配筋検査を、IT(情報技術)ツールで効率化する取り組みが進んでいます。

DataLabs(本社:東京都中央区)も、2023年4月10日にiPhoneやiPadを使って、配筋検査を自動化する「Modely(モデリー)」の製品版を発売することになりました。

iPhoneなどで配筋検査を自動化する「Modely」の使用風景(以下の写真、資料:DataLabs)

iPhoneなどで配筋検査を自動化する「Modely」の使用風景(以下の写真、資料:DataLabs)

上の写真は、Modelyで配筋検査を行っている風景ですが、配筋の写真を撮っているのかと思いきや、

ナ、ナ、ナ、ナント、

LiDARで点群計測

を行っているところなのです。(DataLabsのプレスリリースはこちら

iPhoneなどによって計測された点群データと、クラウド上で自動作成された鉄筋の3Dモデル(右下)

iPhoneなどによって計測された点群データと、クラウド上で自動作成された鉄筋の3Dモデル(右下)

LiDARとは、iPhoneやiPadの上位機種に搭載された3Dスキャン装置で、5m程度離れたものまで点群計測することができます。

この点群をクラウドにアップロードし、検査範囲を画面上でクリックしていすると、その範囲内の配筋を検出して3Dモデルを自動作成します。

その3Dモデルから、鉄筋径や鉄筋ピッチなどを計測して設計値と比較し、配筋検査帳票を自動作成してくれるのです。

自動作成された配筋検査帳票の例。鉄筋径や本数、平均間隔、最小かぶりなどの値が記載されている

自動作成された配筋検査帳票の例。鉄筋径や本数、平均間隔、最小かぶりなどの値が記載されている

配筋を3Dモデル化することで、円形配筋や円形フープ筋の検査にも対応できるほか、コンクリートの「かぶり厚」も計測できます。

3Dモデル化の強みを生かして円形配筋など、様々な形状の配筋に対応できる

3Dモデル化の強みを生かして円形配筋など、様々な形状の配筋に対応できる

精度については、試行要領(案)に基づいて139のサンプルデータを取得して検証したところ、鉄筋間隔やかぶり厚の計測結果はすべて、

±鉄筋径以内

に収まり、鉄筋間隔の最大誤差は鉄筋径の30%以内、かぶり圧の最大誤差は鉄筋径の60%以内に収まりました。

精度検証に使われた配筋模型(左)を、iPadで計測した点群データや自動生成された3Dモデル(右)

精度検証に使われた配筋模型(左)を、iPadで計測した点群データや自動生成された3Dモデル(右)

鉄筋間隔などの精度検証結果

鉄筋間隔などの精度検証結果

このシステムは2022年6月に改定された国土交通省の「デジタルデータを活⽤した鉄筋出来形計測の試行要領(案)」に準拠した「新技術」として、承認されました。(詳しくは国土交通省の「現場ニーズと技術シーズのマッチング」ウェブサイトで

このシステムを使うと従来、複数の担当者で行っていた配筋検査を、現場計測から帳票作成まで1人だけで行えます。

また、点群データや作成した3Dモデル、帳票は、クラウド上で受発注者間で共有し、任意の箇所にコメントや写真を付けてチャット感覚のコミュニケーションも行えます。そのため、発注者の現場立会にかかる時間やコストを大幅に削減できます。

現場計測からクラウド上での3Dモデル化や帳票作成、発注者との情報共有までの流れ

現場計測からクラウド上での3Dモデル化や帳票作成、発注者との情報共有までの流れ

気になるお値段ですが、基本月額料金が1アカウント当たり8万8000円(税込み)で、最小契約期間は3カ月となっています。

DataLabsでは、Modelyの製品版リリースに伴い、2023年4月24日(月)を皮切りに5回ほどのウェビナー開催を予定しています。ご興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。

2023年4月24日以降、5回ほどのウェビナーが開催される予定

2023年4月24日以降、5回ほどのウェビナーが開催される予定

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