大成建設とアクティオが生コン車のレバー操作を無人化! 後付けも可能な「T-コンサプライヤー」
2023年7月28日

管理人のイエイリです。

工事現場でコンクリートの打設作業や吹き付け作業が行われるとき、コンクリートミキサー車では生コンを荷下ろしするレバー操作員が付きっきりになります。

生コンの使用量に応じて、適切な量を供給するため、こまめにレバーをオン・オフする必要があるからです。

山岳トンネルでは粉じんや排ガスにさらされ、ダムなどの屋外現場では暑さや寒さに耐えながら、レバー操作を続けるのは過酷な作業と言っても過言ではありません。

トンネル現場でコンクリートポンプ車のレバー操作を行う作業員。防じんマスクを着け、粉じんや排ガスにさらされての過酷な作業だ(以下の写真、資料:アクティオ)

トンネル現場でコンクリートポンプ車のレバー操作を行う作業員。防じんマスクを着け、粉じんや排ガスにさらされての過酷な作業だ(以下の写真、資料:アクティオ)

人手不足の中、この作業をなんとかできないかと考えた大成建設アクティオ(本社:東京都中央区)は、コンクリートポンプ車から、

ナ、ナ、ナ、ナント、

生コン供給を自動化

する装置「T-コンサプライヤー」を共同開発したのです。(アクティオのプレスリリースはこちら

「T-コンサプライヤー」によってレバー操作を無人化した現場。コンクリートミキサー車からコンクリートポンプ車に、適切な量の生コンが自動供給される

「T-コンサプライヤー」によってレバー操作を無人化した現場。コンクリートミキサー車からコンクリートポンプ車に、適切な量の生コンが自動供給される

この装置は、現場での生コン使用量に応じて、ミキサー車のドラム回転数を自動制御し、適切な量の生コンを荷下ろしするものです。

装置は生コンを受け取るホッパー側と、ミキサー車側に分かれています。

ホッパー側では、ホッパー内の生コン量をセンサーによって検出し、その量に応じて判断装置がミキサー車の適切なドラム回転数を算出。その情報をミキサーに無線送信します。同時に3色灯でホッパー内の生コン量を表示します。

ミキサー車側では、ホッパー側から送信されたドラム回転数を受診し、ドラム回転数を自動制御します。

ミキサー車側(左)とホッパー側(右)に分かれた装置

ミキサー車側(左)とホッパー側(右)に分かれた装置

ミキサー車にドラム回転数などを伝達する仕組み

ミキサー車にドラム回転数などを伝達する仕組み

この装置は汎用性が高いため、うれしいことに

既存ミキサー車に後付け

することができます。

また、ミキサー車の運転手はレバー操作を行う必要がないので、生コン供給操作の未経験者でも、現場に生コンを配送できます。ミキサー車運転の敷居が低くなることで、ドライバーも確保しやすくなりそうですね。

大成建設とアクティオは、この技術を様々な現場での生コン打設作業に適用し、省人化を進めていくほか、山岳トンネル切羽の吹き付けコンクリート作業の自動化にも活用を目指すとのことです。

「T-コンサプライヤー」は外観こそ目立ちませんが、1人前の仕事をする建設ロボットとして、人手不足に悩む各地の現場を救ってくれそうですね。

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