管理人のイエイリです。
コロナ禍以来、病院の待合室やオフィスの会議室などでの感染を防止するため、空気の流れや汚染物質の分布などに対する関心が高まっています。
これまでの熱流体解析は、解析に先立って、室内の壁や家具などを単純化した3Dモデルを手作業で作製するという手間ひまがかかっていました。
そこで、岩崎電気(本社:東京都中央区)は国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター(所在地:宮城県仙台市)、メディエアジャパン(本社:神奈川県横浜市)と共同で、実空間の気流を現場で簡単に確認できる「気流可視化システム」を開発しました。
現場の3Dモデルを取得するために使うのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
スマホのLiDARセンサー
なのです。(岩崎電気のプレスリリースはこちら)
スマホやタブレット端末に搭載されているLiDARセンサーで室内を計測・3Dモデル化し、気流解析を行った結果を3Dモデルに重ねて表示することで、実際の室内にある空調機や空気清浄機などからの空気の流れを現場で分かりやすく確認できます。
このシステムは、仙台医療センターの病院施設で実際に使用し、室内の風速分布や模擬汚染粒子の空間濃度分布の解析などを行いました。
肉眼では、エアロゾルや浮遊汚染物質が室内のどこに滞留しているのかは見えません。
しかし、このシステムで可視化することにより、
空気清浄機の設置
などの設置による「ビフォー」「アフター」の効果がわかるので、室内空気質(IAQ)改善の具体策を検討できます。
岩崎電気は今後、同社で行ってきた気流可視化研究による気流と空間粒子の動きや、空気循環式紫外線清浄機「エアーリア」や、紫外線で細菌を不活性化する上層空間UVGI装置の設置による影響などの実測データを使って、気流可視化システムの精度を高めていく方針です。
そしてこのシステムを活用し、空気循環式紫外線清浄機や換気、空調の適正提案による節電などを、信頼性の高い空間環境ソリューションとして展開していく予定です。