管理人のイエイリです。
海に囲まれた海洋工事現場の安全管理では、現場内で働く作業員のほか、周辺を航行する船など、現場内外を360度にわたって監視する必要があります。
しかし、現場には死角も多く、複数の監視カメラのモニター画面を担当者が見続けながら、肉眼で異常を発見するもの大変です。
そこで東洋建設は、GAUSS(本社:東京都渋谷区)、沖電気工業(OKI。本社:東京都港区)と協働し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
現場を上から見下ろした
「フライングビュー」映像とAI(人工知能)によってリアルタイム監視するシステムを開発したのです。(東洋建設のプレスリリースはこちら)
フライングビューといっても、現場上空にドローンなどを飛ばして撮影するのではありません。
4台の魚眼レンズ付きカメラを取り付けた「4カメラユニット」を現場の高い場所に設置し、その映像を合成して現場周辺を見下ろしたような映像を作っているのです。
一般に市販されている360度カメラは上空も撮影してしまいますが、4台のカメラを使うことで安全管理に必要な部分をムダなく、高解像度で撮影できます。
東洋建設は2021年、「フライングビュー」とAIを使った監視システムを、海上工事の安全対策に初めて試験導入しました。(東洋建設のプレスリリースはこちら)
当時は、AIには富士通の「AI船舶検知システム」を使っており、現場導入前にAIに学習させる教師データの収集や学習のために、多くの時間やコストがかかるという課題がありました。
そこで、今回はフライングビュー映像から得られた画像データとクラウドを使って、AIモデルを作製できる物体検知システムを構築しました。
その結果、教師データの収集やAIの学習などを工事中に現場の担当者が行えるようになり、導入費用や導入までの期間を
6割以上削減
することができたのです。
これまでAIは作る人と使う人が別々でしたが、このシステムのように現場の担当者が、日々の業務を行いながらAIに学習させるようにすることで、手間ひまやコストの削減だけでなく、現場状況を熟知したAIが育っていきそうですね。