AIで手合図をオペレーターに知らせる「AI’s」がNETIS登録に! ネクステラス社長自らがハンダ付け
2024年3月15日

管理人のイエイリです。

広くて騒音が大きい工事現場では、作業員と重機オペレーターのコミュケーションには、手合図(ジェスチャー)がよく使われます。

しかし、重機には死角が多いため、「人が横を通るからちょっとストップして」など、ちょっとしたことを伝える時も、わざわざ建機オペが見やすいところまで移動して手合図する必要がありました。

こうした問題を解決しようと、ネクステラス(本社:札幌市西区)とこぶし建設(本社:北海道岩見沢市)は、合図者が重機の真後ろにいても、手合図をオペレーターにわかりやすく伝えられるデジタルコミュニケーションシステム「AI’s(アイズ)」を開発しました。

デジタルコミュニケーションシステム「AI's」の使用例。死角となる重機の真後ろから手合図しても、オペレーターに伝わる(以下の写真、資料:ネクステラス)

デジタルコミュニケーションシステム「AI’s」の使用例。死角となる重機の真後ろから手合図しても、オペレーターに伝わる(以下の写真、資料:ネクステラス)

重機の後ろにいる作業員をカメラで写し、その映像から、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIが姿勢を読み取り

運転席のモニターで音と光でオペレーターに知らせてくれるのです。(ネクステラスのプレスリリースはこちら

合図者が両手を挙げている時は、モニター画面が赤くなり「両手」と表示される

合図者が両手を挙げている時は、モニター画面が赤くなり「両手」と表示される

片手を挙げている時は、黄色で「片手」と表示される

片手を挙げている時は、黄色で「片手」と表示される

そのため、手合図が見える位置まで走っていくという現場内の「移動のムダ」や「合図の遅れ」がなく、より安全でスムーズな作業が行えそうですね。

このシステムは、重機の後部に取り付けたカメラと、運転席の後ろに積んだAI(人工知能)エッジコンピューター、そして7インチモニターなどから構成されます。

合図者は重機の真後ろ約130度の範囲で、8m以内の距離にいればシステムが検知します。合図者は、特別なマーカーやセンサーなどを身に着ける必要はありません。

カメラとエッジコンピューターで合図を解読し、オペレーターに伝える仕組み

カメラとエッジコンピューターで合図を解読し、オペレーターに伝える仕組み

重機の後部に取り付けられたカメラ

重機の後部に取り付けられたカメラ

運転席の後部に積まれたAIエッジコンピューター

運転席の後部に積まれたAIエッジコンピューター

上記の動画を見ると、手合図にありがちな、ちょっとした移動のムダなどをなくし、安全に作業できることがわかりますね。

このシステムは2023年12月、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録されました(NETIS登録番号:KT-230227-A

重機に取り付けるカメラなどは防水仕様となっていますが、市販の完成品ではなく、ネクステラスの

社長自らがハンダ付け

やグラインダー加工などを行い、手作りしたものなのです。

工房でカメラボックスを自作するネクステラス代表取締役の木下大也氏

工房でカメラボックスを自作するネクステラス代表取締役の木下大也氏

下記のYouTube動画を見ると、スタートアップ企業が製品を開発・製作している様子がよくわかります。ユーザーがケガをしないように、角を丸めるなど、きめ細かい配慮や器用さには感心させられました。

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